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2023年2月 7日 (火)

銀行の提案に気をつけろ②

「先生、銀行からこんな提案が来たんですけど、

 みてもらえますでしょうか?」

といった相談を、一年に数回は受けています。

しかし、これはいい提案だからやったほうがよい、

という内容はまず、ありません。

結局は、銀行が儲かるための提案ばかりなのです。

 

②新会社を作って株式等価交換しませんか

 

銀行からの、

「ホールディングス会社を作りませんか?

 その会社で株を買い取るお金は、私どもが融資します。」

という提案は減ってきました。ところが、

先日ある会社で、銀行からの新たな提案書を見せてくれました。

 

そこには、

「株式等価交換を活用したホールディング会社の活用」

とありました。

これも同じく、ホールディングス会社を設立して、

その新会社が事業会社の株式を持つ形です。

かつての提案は、新会社を後継者100%で設立し、

その会社が銀行からお金を借りて、

事業会社の株式を全部買い取る、といったものでした。

 

今回の株式等価交換の提案では、

新会社は事業会社と同じ比率で株主に株式を発行し、

その対価として事業会社の株式を全部持つ、

ということになります。

なので、銀行からの融資は必要ありません。

しかし、事業会社と同じ比率で新会社は株式を発行するので、

新会社の持ち株比率は、かつての事業会社と同じ、

ということになります。

 

事業会社の株式が、先代社長90%、後継者10%、だとしたら、

事業会社の株式は、新会社が100%持つことになるものの、

新会社の株式は、先代社長90%、後継者10%、となります。

 

その提案をしてきた銀行担当がちょうどやってきたので、

「これではなんの解決にもならないじゃないですか?」

と言いました。すると担当者は、

「そうなんです。ただ、間接的に保有するので、

事業会社の株価は若干下がります。」

「若干なんて下がっても、たいした意味ないでしょ。」

「なので、新会社を設立したあと、社長がお持ちの90%は、

 事業会社で持ち株会を作って、議決権を無しにして、

 持株会へ移すことも可能です。」

というので、

「なら、最初からそうすればいいじゃないですか。

 ただ、そうやっても、本当の解決にはなりませんけど。」

と答えました。

 

種類株式にして取得条項を付けることが必要、

というところまでは、教えませんでした。

銀行担当とのやり取りが続きました。

「この株式等価交換のスキームなら、ご心配されている、

融資の必要はありません。」

「でも、解決にならないでしょ。それに、手数料は取るでしょう。」

「手数料もいりません。ご指導させていただくだけです。」

「必要な議事録とか、会社設立の費用は?」

「その程度は、やはり必要になります。」

「でしょ。やっぱりお金はかかるじゃないですか。

 それに、そんなことしてもらったら、今度融資を検討する際に、

 おたくに忖度しないといけなくなるでしょ。」

「いえいえ、そんなことはしていただかなくても結構でございます。」

「そういうわけにはいかないでしょ。」

というやり取りを終え、銀行担当は帰ったのです。

当然、そんなスキームを、取り入れるはずがありません。

 

でも上のやり取りの途中で聞くと、

その銀行からの提案に基づいて、

株式等価交換のスキームを実行している会社が、

いくつもあるとのことだったのです。

気の毒なことです。

銀行からの提案は結局、銀行が一番得をするようにできている。

そう思っておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年2月 6日 (月)

銀行の提案に気をつけろ①

「先生、銀行からこんな提案が来たんですけど、

 みてもらえますでしょうか?」

といった相談を、一年に数回は受けています。

しかし、これはいい提案だからやったほうがよい、

という内容はまず、ありません。

結局は、銀行が儲かるための提案ばかりなのです。

 

①事業承継のことで提案があります。

 

何度見たかわからないのが、

「後継社長が株を100%持つ持株会社を作って、

 先代が持つ株式をその新会社で買い取りませんか?」

という提案です。銀行は続けて言います。

「新会社で株式を買う資金は、私共で準備いたします。

 あとは配当金をもとに、返済していただければいいんです。」

 

一見、いい話しのように聞こえるものの、

よくよく考えれば大きな借金を背負う話しです。

そこで社長も後継者も、はたと考えなおし、

われわれの元に相談に来られたりするのです。

 

案の定、

このスキームは2017年頃、税務当局から否認を受けました。

持株会社は何の機能も果たさず、

オーナーの相続対策としてのものである、との見解からです。

おそらく、どこかの税務調査において、

銀行からの提案資料を見られたのです。

提案資料のタイトルは概ね、

『オーナー様の株式 相続対策へのご提案』

などと記載されてあり、

相続対策を前提とした資料になっているからです。

結局、銀行は自分で自分の首を絞めたような格好になったのです。

 

あれから5年を経過し、それでもいまだに、同様の提案を見かけます。

以前の否認された頃と少し違うのは、

“持株会社に管理部門を置く”

など、株式を持つだけの会社ではない、ということです。

上場会社にあるような、

ホールディング会社の機能を持たせましょう、

というわけです。

 

しかしそれにしても、たかが年商10億や20億円の中小企業で、

上場会社のようにホールディングス化する、

というのも不自然でしかありません。

規模的にみて、そんなことをする必要性がないのですから。

 

形はどうあれ、

銀行からの借金を元にしたスキームであることには変わらず、

社長やオーナーにすれば、腑に落ちない提案なのです。

それでもこのような提案が今も出回るというのは、

それなりに、この提案を受けてしまう会社がある、

ということだと思うのです。

おそらくこのブログを読まれている会社でも、

そういえばそんな提案が来た!という会社があるはずです。

くれぐれも申し上げますが、

そのような提案には、絶対に「ノー!」と強く言ってほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年2月 3日 (金)

事業承継マサカの坂④

鳥取テクノ(仮称)は、

創業者である米子一郎会長(仮称)から、

甥っ子の米子卓也社長への事業承継を行いました。

 

株については、種類株式を活用し、

議決権の99.9%は、卓也社長が握っています。

一郎会長は、ほんの0.1%、

1株だけ黄金株を持っているという状況です。

 

さて、ここからどんなことが考えられるか・・・

一郎会長としては、卓也社長と

もっとコミュニケーションをとって、

ものごとを進めていきたいと思っています。

しかし、どういうふうに転ぶかは、分かりません。

 

例えば、卓也社長が会社を飛びだし、

非常に高い金額で株式を買い取ってくれ、

と言ってくるかもしれません。

 

あるいは、いま流行りのファンド(悪徳業者)に

株式を売却してしまうかもしれません。

そして、そのファンドから、高価買取のリクエストが

くるかもしれません。

 

こうなったとき、会社としては間違いなく戸惑います。

予想もしない金額での買取を余儀なくされるかもしれません。

 

このときは取得条項付株式が有効です。

 

あるいは、一郎会長が我慢ならず、

卓也社長の取締役解任を考えるかもしれません。

ところが、一郎会長の議決権比率は、0.1%なので、

自ら議題をあげて、解任することはできないのです。

 

このときは、属人的株式を活用するとよいでしょう。

この株式は、1株について、100個、1000個の議決権を持てる

というもので、少ない株で多くの議決権を握ることができるのです。

 

(福岡雄吉郎)

2023年2月 2日 (木)

2、貯めてはいけません

会社が儲かっている指標、すなわち収益性とは、

売上高営業利益率と売上高経常利益率だと信じている方の多いのに驚きです。本当に数値に弱い経営者が多いのには驚かされます。

貯めすぎてはいけない!

何を貯めすぎてはいけないのか?  

売掛金、棚卸在庫、現預金の流動資産です。

なぜ、現預金?と思われる経営者がいらっしゃいますが、これは後で説明します。

売掛金、棚卸資産は商売をする上で絶対に必要な事で、これを持たずに経営はできないとおっしゃる人が多いのです。

「先生 我々『鉄』を商品にする業種業界は昔より、手形商売、指定メーカーから在庫は押し付けられるのが業界常識ですよ!」

大阪南港近くにある鉄板、鉄加工品、重量物製品を扱う正田産業(仮称)株式会社の正田専務が不満顔でおっしゃる。

正田産業もリーマンショックの影響を受けて正に倒産に近づきつつある危ない会社なのです。

「正田専務、ちょっと待った。井上先生はわが社の売掛金の多さ、棚卸資産の多さが問題だとおっしゃっているので、売掛金商売、在庫過多が問題だとおっしゃっているんだよ!!」

横から急に発言されたのは 若き三代目の正田勝男社長(仮称)だったのです。

「我々の業界でも ライバルである九州にある岡本商会(仮称)の鉄鋼製品は現金取引でないと売ってくれないよ! あの会社には手形商売をやっていない有名会社があるよ」

正田産業が低収益性なのは管理がまずく、販売しても顧客から回収条件を示さず、相手の言うがまま。リーマンショックで市場が冷えるとたちまち在庫が増え、鉄鋼メーカーと話し合うこともなく低収益化に甘んじて従来の流れの中で商売を続けている。

調べてみると長い歴史の中で大阪湾の埋め立て地に土地、建物の倉庫を購入しており、なんとその所有者は先輩経営者の個人の持ち物で、家賃を得るためにそれら倉庫に製品を多く置いているのです。

若き三代目正田勝男社長を私の指摘に謙虚に反省し、倉庫所有者の先輩と過去の経営者との賃貸契約を切っていたのです。

 

業界習慣、同族問題、長い歴史の中にはとんでもない悪い貯め癖がついています。売掛金が3か月から10か月後になる驚くべき長さになっている、当然、支払いも長いものになってしまう。不況が来るたびに倒産の危機に入り、ヒヤヒヤで経営する。平時の折には時間をかけてでも短くする努力をしなさい。長いのは信用があるからなどと勘違いをしている。

在庫が多くなることもインフレ期を長く経験した古い経営者の価値観が未だに強く残ってしまって、それが正しいと思っているのです。

当然、運転資金が必要で、銀行対策も必要となり短期借入金が実に多くなってしまうのです。

 

経営は利幅だけではなく、回転が大切だなあと理解できない人が多すぎるのです。

(井上和弘)

2023年2月 1日 (水)

事業承継マサカの坂③

鳥取テクノ(仮称)は、

創業者である米子一郎会長(仮称)から、

甥っ子の米子卓也社長への事業承継を行いました。

 

もともと卓也社長の一部の素行に対して、

あまりよく思っていなかった一郎会長でしたが、

世代交代してより一層そう思うようになった、

ということでした。

 

一郎会長と卓也社長は、

メールでやりとりをしており、

そのやりとりを見ても、

雰囲気は明らかに悪い様子です。

 

少し前には、

「この状況なら、私は辞めさせてもらいます」

などと、社長から会長にメールがあったくらいです。

 

会長の話、また、メールでのやりとりを見る限り、

確かに卓也社長には、「感謝」が足りないようにも思えます。

 

特に、会長からすると、卓也社長には、

自己負担なく、議決権の99%を持たせており、

(種類株式の導入により実行)

このありがたみが、全く分かっていない、

もっと感謝すべきだろう、と思っているのです。

 

卓也社長は、周囲に対して、

「株については、会長が色々と進めており、

自分はよく分からない。

それでも、議決権の100%は自分が握っている。」などと吹聴している、

というのが、また気に食わないのです。

 

役員報酬も年間で2,500万円ほど、普通ではもらえない額です。

もともと、こらえ性がなく、社会人として長続きしなかったところを、

自分が拾ってあげた、という思いもあるのです。

 

確かに、一郎会長の思いもよく分かります。

 

しかし、一郎会長にも、「辛抱」が足らないのです。

もともと、代表権を返上して、退職金を取る、

という時点で、経営権は卓也社長に譲る、

と決めていたはずです。

 

ところが、話を聞いてみると、

まだまだ会社離れができておらず、

卓也社長の箸の上げ下げまで、気になる様子。

これはこれで頂けません。

「自分はこうしてきたから、新社長にもこれくらいはしてほしい」

という思いが強いのです。

 

また、幹部陣も、新社長の方針に対して、

「会長が新社長のアイデアは無視しておけばよい」

などと伝えているのが、新社長にも間接的に伝わっており、

コミュニケーションを上手く行えていないのです。

 

対策としては、

誰か2人の中に入って冷静に判断してくれる、アドバイザーを探すこと

メールというコミュニケーションの在り方を変えること

 

会長に少しの辛抱、社長にも少しの感謝があれば、

よくなりますが、これがなかなか難しいですね。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月31日 (火)

事業承継マサカの坂②

鳥取テクノ(仮称)は、

創業者である米子一郎社長(仮称)から、

甥っ子へのバトンタッチを控えていました。

 

甥っ子の米子卓也専務(仮称)は、40歳程度、

社長を継がすにはよい年齢でした。

 

株式については、もともと、

一郎社長が70%、卓也専務が30%でした。

 

株価が高かったので、

高額の役員退職金を支払って、

株価を下げてから、株式を動かしました。

 

一郎社長の持ち株は、1株を黄金株(拒否権付株式)として、

残りは、無議決権株式としたうえで、

自分の孫へ譲渡したのです。

 

こうすると、卓也専務は、

自己負担(持ち出し)なしで、

議決権の99.9%を確保できるようになりました。

 

1年ほど前にこのプランを実行して、

一郎社長は、取締役会長に

卓也専務は、代表取締役社長に就任したのです。

 

もともと、一郎会長からは、

卓也社長の素行については、

聞いていました。

 

一郎会長ご自身は、

創業者でもありますし、

もともと非常に気遣いのできる方でしたので、

どうしても、卓也社長の振る舞いに

気になるところがあったようでした。

 

事業承継をしてから、

それがより一層目立つようになり、

悶々とするなかで相談に来られたのでした。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月30日 (月)

事業承継マサカの坂

先日ご相談に来られた鳥取テクノ(仮称)、

創業者である米子一郎社長(仮称)が

うかない顔で相談に来られました。

 

米子社長とは、年1回ほど、

近況報告も兼ねて、相談の場をつくっています。

 

鳥取テクノは、上場会社の子会社の社長まで務めた

米子社長が、定年してから興した会社です。

BtoB向けの商材の企画・開発を手掛けており、

創業15年、年商は20億円ほどにまで成長しました。

この間、利益を出し続け、業績、財務体質ともに、

健全経営を続けています。

 

米子社長は、お子さんがいますが、

2人ともお嬢さんで、嫁がれています。

長女は、近くに住んでいるので、

嫁いだといっても、鳥取テクノで管理部に所属し、

働いています。

 

これまで、米子社長とお会いするたび、

目を輝かせ、前期はこういうことがあった、

今期はこういうことをしたい、

など、小さいながらも事業は順調で、

問題らしい問題はない、という状況でした。

 

3年ほど前から、事業承継について相談を受けるようになりました。

といっても、米子社長のなかには、

プランが出来上がっていて、私は、そのプランにアドバイスする程度でした。

 

米子社長のプランとしては、

まずは、自分の甥っ子に継がせて。

その後、自分の孫にでも継いでもらえたら・・・

というようなプランでした。

 

甥っ子さんは40歳程度、

社長を継がすにはよい年齢でした。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月27日 (金)

なぜ、貸借対照表を見ないのか④

月次決算をすれば、毎月、

損益計算書と貸借対照表を見ることができます。

ところが、「貸借対照表を毎月見ます」

という経営者は、ほとんどおられません。

会社のお金の状況や財務体質がわかるのは、

貸借対照表なのに、見るのは損益計算書ばかり、なのです。

なぜ、貸借対照表を見ないのか?考えてゆきたいと思います。

 

④社内に共有できる者がいない

 

損益計算書の場合、

その科目や内容など、社内に共有できている者が複数います。

売上高、原価、売上総利益、人件費など、

経営幹部のメンバーなら、概ね、通じるはずです。

その中で、今月は良かったのか、悪かったのか、

何が原因なのか、などを協議検討することになります。

 

ところが、貸借対照表の場合、

そもそも、社内に読める人物がいなければ、

貸借対照表に触れている社員も少ないです。

多くは、経理担当と社長のみ、です。

 

経理担当は、貸借対照表の見かたはわかるものの、

そこにどのような課題があるかまで、

わかる人は少ないです。

表の仕組みとしては理解している、

という経理担当がほとんどです。

 

結局、社内に貸借対照表を同じ目線で共有できる、

という社員が多くの中小企業では、いないのです。

そうなると、貸借対照表を見なくもなるし、

協議検討することもなくなってしまいます。

 

貸借対照表にこそ、財務の体質が現れ、

その課題を解決してゆくことで、

急な荒波にも耐える体力が、会社についてきます。

回収を早くする。

在庫を減らす。

必要な投資をする。

借入金を減らす。

 

貸借対照表を経営幹部で共有している会社は、

課題を共有化し、解決へと数年かけて動いてゆきます。

5年、10年すれば、

貸借対照表の中身は大きく変わり、

強い財務体質へと変化してゆきます。

 

社長が貸借対照表を理解することは先決ですが、

同時に共有できる幹部陣を育てることで、

課題の解決が早く進むようになります。

共有する幹部がいれば、

貸借対照表を見て協議する機会も増えてきます。

ぜひとも、社長だけでなく、

複数の経営幹部が貸借対照表を理解できるよう、

書籍やセミナーに、触れていただきたいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月26日 (木)

1.売りに行ってはいけません

売上第一主義経営に陥ってはならないという事です。

「それでは売上を第一に考えない、すなわちどうしろと言うことですか! 」

との声が聞こえそうですね。

無理に売りに行かないのです。お客様が買いに来ていただけるような会社にするんです。

社長が営業畑出身の会社はすぐに分かります。

「売上だ! 売上だ!」大声でカツを入れてくるからです。

「売れない不況の時こそ営業力の見せ所だ営業社員は今こそ、根性をもって足で稼げ!」とのたまっているのです。

 

私もそんな会社に居たことがありますが、

『顧客の好まない、売れない不良在庫』を売ってこいと言っても 

嘘を言ってお客を騙すか、売れました と言って売れてもいないのに売上伝票を出して嘘を書くぐらいしかなく、いくら営業社員を投入しても退職してゆくばかりで、戦力体制が組めないのです。

 

売れない商品を売る努力をすると

・営業人材、人的販売効率が落ちる

・粗利益率が下がる

・不良売掛金が増加する

・詐欺に引っ掛かり赤字になる

・会社のイメージが低下する

・販売経費が増える

 

 山陽道の中核都市で建設資材の中小商社であるビサン工業設備(仮称)の谷村友治社長(仮称)45歳は、32歳の時にそれまでトップセールスマンとして活躍していましたが、メーカーの支援もあって、独立開業したのです。独立開業からの10年間は、瀬戸大橋工事、山陽新幹線工事等で順風満帆の業績を示し、会社の規模も格段に伸びたのです。

 

 顧問先の社長の紹介もあって、ビサン工業設備営業社員の教育指導を受けたのです。谷村社長にお会いした時の第一印象は、素晴らしく、一気に私はファンになるぐらいでした。仕立ての良い背広とネクタイ、言葉遣いも私をボーとさせるぐらい上手でこちらを持ち上げてくれる。招待された和食の料亭の食事の内容も美味しいものばかりでした。そして、谷村社長の日々の行動はまさに東奔西走のエネルギッシュな活動量で驚かされっぱなしでした。

 

しかし、営業社員教育が始まってみると社長は多忙を理由に一度も参加せず、妻の弟である佐々木常務が責任者として参加。社長と比べて覇気がなく、業績も市場需要が落ちて芳しくないことが伝わってきました。

そこで、会社の数値を見たいと思っても経理部長は参加せず、逃げるように資料の提出も私たち講師陣に示してもらえることはありませんでした。

 

そして、6か月もたたないうちになんと ビサン工業は倒産してしまったのです。

「手形が落ちん?」 連絡のあった佐々木常務に聞くと

「融通手形をやっていていまして、先の手形が不渡りになった」と、倒産理由を言うのです。

「そんなことをやっていたのか? 常務もその事を知らず?

 だから経理部長が出てこなかったのか! 一体 融通の相手はどこの会社や?」

「高松の呉服販売会社の美装服飾(仮称)! です」。

「えっ あの有名な会社  原  敏弘(仮称)社長のか?」

「先生! ご存知の社長ですか?」

 

 美装服飾も各地の有名ホテルを借りて展示即売をする会社で、店を持たず、安い価格で販売し、営業社員にかなりドギツいノルマと報酬の売り方で有名でした。これまたビサンの谷村社長とそっくりな、それゆけ!ドンドンの原社長で、経済誌に取り上げられていた会社です。この業界も和装離れの時代背景があり、衰退がはじまっていたのです。

 

大量にガッツだけの営業社員を集め、販売報酬を高くした経営は、モラルの荒廃を招き,良心のある社員は退職し、会社の士気(モラール)は衰えていったのです。

 

売れない時に販売を伸ばしている会社は目立ちますが、裏に回れば真の経営をしていないボロボロの会社になっていたのです。

売上が上がればいいのではありません。しっかりした粗利益を稼ぎ、労働生産性を確保し、販売経費、金融対策を考えた経営をしなくてはなりません。売上を上げれば利益が出る、経営はそんな簡単なものではありません。

経営原理に沿った経営をしなくてはならないのです。

 

(井上和弘)

2023年1月25日 (水)

なぜ、貸借対照表を見ないのか➂

月次決算をすれば、毎月、

損益計算書と貸借対照表を見ることができます。

ところが、「貸借対照表を毎月見ます」

という経営者は、ほとんどおられません。

会社のお金の状況や財務体質がわかるのは、

貸借対照表なのに、見るのは損益計算書ばかり、なのです。

なぜ、貸借対照表を見ないのか?考えてゆきたいと思います。

 

➂比較のモノサシがない

 

損益計算書の場合、

売上高、原価、売上総利益、人件費、その他経費などを、

いくつかのモノサシで比較します。

前年同月対比、前年累計対比、前月対比、

月別推移、予算対比、等など。

他にも、経営者の長年の感による比較、

というのもあります。

 

損益計算書の数値から、

収益体質が良くなっているのか、悪くなっているのか、

横這いなのか、がある程度、つかみやすいです。

ただ、どこまでいっても、損益計算書は理屈上の数値です。

 

売上高が昨年同月より増えていたとしても、

回収が遅くなって使えるお金が減っていたら、大きな問題です。

しかし、そんなことは損益計算書からだけでは、

わからないのです。

 

月次決算の貸借対照表でも、

前年同月末日の数値が参考値として記載されている場合があります。

そういう会社は、その資料を見て経営者が、

「去年より現預金がずいぶん減っているのはなぜか?」

「長期借入金が昨年の数字とほとんど変わっていないけど、

 何か新たに借入したか?」

など、その都度、財務担当者に質問をします。

財務担当も、聞かれるだろうな、というところは察しがつきます。

なので、貸借対照表に常に意識が行きます。

 

損益計算書しか見ていない会社は、

このようなチェックが行われません。

現預金が増えたか減ったか、

借入金が増えたか減ったか、

仮払金など、妙な勘定科目が急に現れていないか、

など、まったくわからないのです。

 

だから、そのような会社では、

経理担当者による不正・横領が起こりやすいのです。

お金の管理が無防備になるのです。

使えるお金の管理ができるのは、貸借対照表です。

理屈上の数値である損益計算書より、大切なのは貸借対照表なのです。

せめて前年同月との比較くらいはして、

わからないところは経理担当に聞く、くらいのことはしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月24日 (火)

なぜ、貸借対照表を見ないのか②

月次決算をすれば、毎月、

損益計算書と貸借対照表を見ることができます。

ところが、「貸借対照表を毎月見ます」

という経営者は、ほとんどおられません。

会社のお金の状況や財務体質がわかるのは、

貸借対照表なのに、見るのは損益計算書ばかり、なのです。

なぜ、貸借対照表を見ないのか?考えてゆきたいと思います。

 

②毎月の変化があまりない

 

損益計算書は、その事業年度の累計数字です。

月を追うごとに、売上高、売上総利益など、

数字が膨らんできます。

営業利益が黒字ならば、その数字も膨らんできます。

良くも悪くも、打つ手に結果が出ているように感じます。

経営者にとっては、ちょっとワクワクする要素があります。

 

一方、貸借対照表は、ある1日の財務体質を表したものです。

12月31日なら、その日の財務体質です。

正直言って、前月末日と、そう大きな変化がありません。

そのためもあってか、

貸借対照表を読める経営者でも、毎月見ています、

という方は、案外少ないのです。

貸借対照表を読めない経営者であれば、なおさらです。

前月末とほぼ変わらない資料を見ても、

見るポイントもわからなければ、気になるところが全くないのですから。

 

先日お会いした経営者は、

毎月の貸借対照表を見ることを、楽しみにしていました。

「自己資本比率がちょっとでも高くなれば嬉しいし、

 低くなれば、悔しいんです。」

と、言っておられました。

その方は、貸借対照表を読める経営者だったのです。

そのような方ですから、

貸借対照表を磨くことに注力されていました。

その結果、強い財務体質を確立されているのです。

 

確かに、貸借対照表は、毎月の変化は少ないです。

しかし、変化していないかと言えば、変化しているのです。

現預金、売掛金、買掛金、未払金、短期借入、長期借入、

純資産合計、などなど。

事業が動いていれば、数字がまったく変わらない、

ということは、ありえないのです。

 

加えて、貸借対照表の数字が大きく変わるのは、

何らかの財務施策を行った時です。

多すぎる現預金を返した、

新調達をして長期借入金が増えた、

オフバランスをして剰余金が大きく縮んだ、等など。

これらはどれも、経営者の意思決定によるものばかりです。

言い換えれば、財務体質を日々にらみつつ、

見えてきた課題に取り組めば、貸借対照表は大きく変わってくるのです。

 

月次決算をされているならば、

損益計算書だけではなく、

貸借対照表の内容にも毎月、目を通していただきたいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月23日 (月)

なぜ、貸借対照表を見ないのか①

月次決算をすれば、毎月、

損益計算書と貸借対照表を見ることができます。

ところが、「貸借対照表を毎月見ます」

という経営者は、ほとんどおられません。

会社のお金の状況や財務体質がわかるのは、

貸借対照表なのに、見るのは損益計算書ばかり、なのです。

なぜ、貸借対照表を見ないのか?考えてゆきたいと思います。

 

①見かたがわからない

 

“そもそも貸借対照表の見かたがよくわからないです。”

という方が多いです。

見かたにも、次の3つの観点があります。

1)どのような仕組みの資料かわからない。

2)どこから見たらいいのかわからない。

3)いい、悪いの判断がつかない。

 

損益計算書は、売上高、原価、経費、営業利益など、

経営者であろうとなかろうと、

聞きなじみのある言葉が多いです。

売上高から原価と経費を引いたら営業利益、

という構造も、教えてもらわずとも、イメージできます。

“損益”という言葉からも、

損したのか儲かったのか、という事を示す資料である、

と察しがつきます。

 

ところが貸借対照表になると、なじみのある言葉が少なく、

表の仕組みがどうなっているのか、よくわかりません。

損益計算書なら、営業利益が多ければいい、

売上高は小さいよりも大きいほうがいい、

などと、善し悪しの察しがつきます。

貸借対照表は、その数字を見ても、

いいのか悪いのかが、よくわからないのです。

 

貸借対照表は、その仕組みや言葉の意味を、

自ら学ばないとわからないのです。

貸借対照表はわからない、

という経営者がこんなにも多いのは、

貸借対照表とはどのようなものなのか、

学んでいない経営者が多い、ということなのです。

 

では、なぜ貸借対照表を学ぼうとしないのか、となります。

学ぶことが嫌い、時間を割きたくない、面倒くさい、

他の事は学んできたけど、貸借対照表の勉強は必要性を感じなった、

等といったことが、その理由かと思われます。

 

確かに貸借対照表は、学ばないと読みかたはわかりません。

しかし、読みかたを学ぶといっても、

そう時間がかかるものではありません。

仕組みやその言葉の意味を知れば、ある程度は読めます。

自社の課題も見えてきます。

 

世間には、貸借対照表の読み方を書いた本やセミナーは、

山ほどあるのです。

貸借対照表を学び実践し続けた経営者は、

間違いなく強固な財務体質の会社へと育て上げておられます。

あまりこれまで貸借対照表を学んでいない、

という方は、ぜひともICOの書籍を読むところから、

始めていただきたいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月20日 (金)

社長の賢い節税セミナー 開催します

福岡雄吉郎のセミナーのおしらせです!

 

昨年の税制改正の内容をふまえ、

今年も節税をテーマにセミナーを開催いたします。

 

再来月の

3月7日(火)大阪 帝国ホテル

3月14日(火)東京 目黒雅叙園

東京は、オンラインも同時開催です。

 

昨年も、私たちICOグループには、

たくさんのご相談が寄せられ、

全国のオーナー企業のお役に立つべく、

東奔西走いたしました。

 

そうした経験をふまえて、

 

■2023年度税制改正の内容

 

■最新ケーススタディ生実務

 

■社長が知るべきオーナー企業のお金の残し方

 

■社長と一族の「手取りを増やす賢い節税」

 

■99%の社長が知らない!相続税ゼロへの賢い事業承継

 

■「争族」を避けるための賢い財産承継

 

を具体的な事例をもとに、

解説いたします。

 

セミナーの詳しい内容につきましては、

下記をクリックください。

 

2023年税制改正対応 社長の賢い節税セミナー | 経営セミナー・本・講演音声・動画ダウンロード【日本経営合理化協会】 (jmca.jp)

 

当日、皆様にお会いできること、楽しみにしております。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月19日 (木)

即時償却C型を使いましょう④

即時償却には、実は2つのステップがあります。

第1ステップは、A型、B型、C型で、

それぞれ手続が違います。

A型なら、工業会の証明書をもらう

B型なら、投資計画をつくって、経産局の承認をもらう

C型なら、投資がデジタル化に貢献することを作文して、経産局の承認をもらう

これらの手続が必要となります。

 

さて、めでたくこの証明書/承認が得られたとして、

実務的にはもう1ステップあります。

それは、「中小企業経営力向上計画」を申請して、

承認をもらう必要がある、ということです。

 

これは、自社がどの業種であるかによって、

承認をもらう先が変わってきます。

ですが、これも審査は形式的で、作文をすれば通ります。

 

このときに満たさなければいけない主な条件は、

労働生産性が改善するかどうか(1%以上)、ということです。

こういうとなんだか難しそうな印象ですが、

審査する担当者がチェックするのは、

あくまで書類が形式的に整っているか、

計算式はあっているか

書類同士の整合性がとれているか、

などで、本質的なところまで踏み込んではこれません。

 

で、このときに気をつけていただきたいポイントが、

申請時期です。

 

基本的には、システムを取得する(納品される)前までに、

申請、承認を終えている必要があります。

(例外はあります)

 

逆算すると、だいたい納品の3ヶ月前くらいから

準備するとよいです。

 

これが、遅くなると、せっかくの即時償却が使えなくなります。

ですので、準備を早め早めに進めていただきたいのです。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月18日 (水)

即時償却C型を使いましょう③

即時償却のC型というのは、デジタル化のための設備投資です。

 

対象設備は、次のいずれかを実現するものです。

①遠隔操作

②可視化

③自動制御化

 

・デジタル技術を使って遠隔操作するための投資(センサーなど)

・直接、顔を合わさなくても、仕事ができるようになるための投資

・いつも出勤している場所以外でも仕事できるようにするための投資

・データの集約とか分析が可能になるような投資

 

つまり、人に頼らないための投資(システム化、IT化、AI化)が、

C型の対象となるのです。

 

わが社でこれまでお手伝いした事例をあげると、

 

・在庫管理システムの導入

・請求管理システムの導入

・営業管理システムの導入

 

大きいものですと、

・基幹システムの導入/更新

などがあります。

 

こういったシステム投資は、

A型が使えない場合が多いです。

 

そうすると、他の方法でとなります。

B型でも申請はできますが、

それよりも、C型のほうが、手間をかけずに、申請ができます。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月17日 (火)

即時償却C型を使いましょう②

2年間延長された即時償却ですが、

改めて、A型もB型もC型も、すべて、延長されています。

 

ときどきご相談に来られる経営者とお話していると、

即時償却を活用されていない方が結構いらっしゃいます。

もしくは、A型だけしかご存じない、B型、C型はハードルが高くて、

手を出していない、という方もおられます。

確かに、B型、C型は、A型に比べるとハードルが高いですが、

それでも、補助金申請に比べれば、はるかに簡単です。

 

なぜ、即時償却が使われていないのか?と考えると、

①顧問税理士が勧めてこない

②メーカー、代理店も一時ほど熱を入れて勧めてこない

という理由があると思っています。

 

確かに、この即時償却は、かれから8年くらい続く制度で、

マンネリ化している部分があるのかもしれません。

しかし、そのメリットは大きく、積極的に活用すべきです。

 

そのメリットとは、

①キャッシュフローがよくなる(税金が減り現金が残る)

②将来何があるかわからないから経費を落とせるときに落とす

③総資産が増えない(ROAが改善する)

ここでは、それぞれについての詳しい説明を省きますが、

税理士等から積極的に勧められなくとも、

どんどんと活用をしていただきたいのです。

そうすることで、必ずライバルと差が出てくるのです。

(福岡雄吉郎)

2023年1月16日 (月)

即時償却C型を使いましょう①

来年3月まで使うことのできる即時償却ですが、税制改正によって、

2年間延長され、2025年3月までに使うことができるようになりました。

これは朗報ですね。

 

従来の

A型 生産性向上設備

B型 収益力強化設備

に加えて、「C型」というものができた、

ということは、このブログで何度もお伝えしてきました。

 

C型は、結構使いみちがありますし、使うことのハードルは低いのですが、

まだなかなか使われていないのが現状です。

もっとC型は使われるべきだなと思っています。

そこで、今回は、このC型の実務について、改めて紹介します。

 

C型というのは、デジタル化のための設備投資です。

対象設備は、次のいずれかを実現するものです。

①遠隔操作

②可視化

③自動制御化

いわゆる蜜を避けるための投資、でもありますね。

 

対象科目は、

・機械装置 160万円以上

・工具 30万円以上

・器具備品 30万円以上

・建物附属設備 60万円以上

・ソフトウエア 70万円以上

 

A型、B型と同じく、建物は対象外です。

また、医療機器も対象外ですし、

中古資産、貸付用資産も対象外であります。

そして、大切なのは、

投資内容が、先ほどの①~③のいずれかを満たすことを、

所轄の経済産業局に提出して、承認をもらう、ということです。

そして、そのうえで、「中小企業経営力向上計画」という別の書類を作成して、

この承認をもらう必要があります。

 

では、明日以降、具体的にもう少し詳しくご説明してゆきます。

 

(福岡雄吉郎)

2023年1月13日 (金)

2023年のうちに進めておきたいこと④

年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、

書かせていただきます。

 

④給料アップと人員削減

 

ユニクロが新卒1~2年目の店長給与を30万円超にする等、

大手企業での給料アップの記事が目立ってきました。

今年は確実に賃上げ企業が増えます。

しかも、多くの業種が人員不足で募集人数を増やしています。

そこへ大手企業が給料を増額してくるのです。

 

このような環境のなか、

中小企業が今までどおりの給料で採用をかけても、

人員を確保できるわけがないのです。

私たちの顧問先でも、

今年度の新卒初任給を30万3千円にした会社があります。

建設工事関係の会社です。社長いわく、

「うちのような業界は、それくらいしないと、

 人が来ませんよ。」とのことなのです。

言われてみれば、そのとおりなのです。

 

「給料を上げよ!」と言うと、

「そんなことしたら、利益が吹っ飛びます。」

と返答する社長がおられます。

ならば、必要人員数を減らすことです。

“給料はアップさせたい、でも、このままアップすれば、

労務費が増えすぎます!”と言うのなら、

人数を減らして総額を維持するしか、ないのです。

 

メーカーならロボットを活用する。

外食なら、タブレットを使う、店内調理を減らす、

発注・勤務シフトを自動化する、などして労働時間数を減らすのです。

サービス業の場合、人員は減らせなくても、

労働時間数を減らす余地は、まだまだあります。

デジタル化や、機械・ロボットなど、

新たな技術を導入して、

必要な人員、必要な時間数を減らすのです。

少なくとも給与明細を紙で印刷して配布しているようなら、

そんな付加価値のない作業はすぐにやめるべきなのです。

 

必要な人員・時間数を絞り込んで減らし、賃金を上げる。

加えて、強い商品力で粗利益を増やす。

間違いなく、賃金相場はこれから上がります。

相場に合わせて給料をアップさせなければ、

これからの人材確保はできず、組織はじわじわ劣化してゆくのです。

 

早めに給与を上げた会社は、いい人材を確保しやすいです。

近隣ライバルが給料を上げてから自社の給料を上げても、

もはやいい人材は、採用されていないのです。

遅れを取ることなく、給料を相場並みかそれ以上、

にしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月12日 (木)

2023年のうちに進めておきたいこと➂

年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、

書かせていただきます。

 

➂電子帳簿保存法への対応

 

昨年の1月1日から施行予定であった改正電子帳簿保存法が、

2年間猶予となりました。

その背景は、

ほとんどの企業が法改正への対応が進んでおらず、

今の状況では改正法の運用に無理があったからです。

コロナ禍のなか、

十分な情報発信もされていなかったので、無理もありません。

 

法改正の大きな要点は、

取引きに関する情報をすべて、電子管理にしなさい、

というものです。

具体的には、

見積書、請求書、契約書、発注書、領収書、などです。

 

確かにこれらの帳票は、まだまだ紙ベースが多いです。

それをすべて電子化し、データで管理することになります。

対応できるようになった時点で、所轄の税務署に届出書を提出します。

その届出書が受理されると、取引データの紙保存は不要になります。

 

改正前の法律では、届出書を提出後、審査されることが必要でした。

今回の改正では、届出書のみとなり、審査はなくなりました。

税務署も実際には、すべての審査対応が不可能なのだと思われます。

それに、

国税としては、主要帳票類が全て電子化されることで、

税務調査時に検索しやすくなることをもくろんでいます。

なので、電子化することに、意味があるのです。

 

「うちの業界は遅れていて、大手企業でも紙ベースがほとんどです。」

などといった理由で進まなかったデジタル化ですが、

今回は法対応なので、遅れていた大手企業があったとしても、

順次デジタル化が進んでいきます。

中小企業にとっても、言い訳が利かなくなってゆきます。

 

それに、上記の各種取引帳票がデジタル化されることで、

コストダウンもできます。

・大量の紙を整頓する手間(労務コスト)がなくなります。

・保管する場所(家賃コスト)が不要になります。

・契約書や領収書の収入印紙(租税コスト)が不要になります。

 

おそらく転換当初は多少の混乱もあろうかと思います。

が、その混乱も収束すれば、もう元には戻れませんし、

今のほうが楽でいい、となるのです。

 

改正法開始まであと1年です。あっという間に過ぎてゆきます。

デジタル化の波に乗り遅れないよう、

できるところから、対応を進めてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年1月11日 (水)

2023年のうちに進めておきたいこと②

年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、

書かせていただきます。

 

②即時償却制度の活用

 

機械設備、建物附属設備(内装、空調、照明等)、ソフトウェア等、

購入した事業年度で全額を一気に償却できる制度です。

アベノミクスの一環として、平成26年に導入されました。

3年間の時限立法として開始され、その後、延長を繰り返していました。

その期限が2023年の税制改正で、更に2年間、延長されました。

 

これまで即時償却制度を活用した会社は一様に、

そのありがたさを口に出されます。

あるメーカーの社長が言いました。

「利益が出ているときに全額を償却できたので、

 その年度は法人税の支払いがなくなりました。

 おかげで中間納税のお金も還付されました。

それだけで資金繰りがこんなに違うとは、思いもしませんでした。」

 

特にその会社では昨年、

急激な円安、原料高騰など、粗利益が大幅に悪化したのです。

「即時償却のおかげで、

中間納税も例年に比べるとほぼゼロですみました。

売上が下がっているときに、あれは助かりました。」

と、マサカの坂においても、即時償却の恩恵を実感されたのです。

 

「即時償却を使わなくても、

どうせ全額償却されるのだから、一緒ですよ。」

という会計事務所の方が、今もおられます。

それは、数字だけでしか考えない人の発想です。

数字とお金は違うのです。

 

例えば100万円を誰かに貸したとして、

「今年一気に100万円返してもらうのも、

 20年かけて5万円ずつ返してもらっても、一緒ですよ。」

と言うようなものです。

20年もかけて返してもらったら、返してもらった気になりませんし、

結局その100万円は、使えません。眠ったままです。

しかし一気に返してもらえれば、そのお金をまた別のことに使えます。

お金を回せるのです。

 

お金にさほどの余裕がない中小企業にとって、

投資を早く回収できることほど、ありがたいことはないのです。

早期に回収できれば、更なる投資にも活用できるのですから。

即時償却制度の期限は令和7年3月31日まで延長になりました。

 

制度が使えるうちに活用し、

カネ回りのよい経営を、目指してほしいのです。

 

(古山喜章)

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