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2018年2月21日 (水)

グループ会社同士の貸し借りに困っています①

「こんなに、営業利益が出ているのに、
なんで金利が下がらないんでしょう?」

建設業を中心にグループ5社を経営している
(株)山森の林会長から質問されました。

「借入は、どの会社でしているのですか?」
借入は、中核会社の(株)山森でしています。

この会社は、ここ数年業績がよく、
売上高は20億、経常利益も2億でているんです。
ちなみに、もうあと3年ほどは、この状態が続く見込みなんです。

確かに、PLだけ聞くと、よい数字なのです。

「林会長、PLよりもBSが大事なんです。
BSは、どうなっていますか?」
BSを確認すると、えらいことになっています。

「会長、この短期貸付金5億、仮払金3億、長期貸付金8億ですが、
これは、どこ宛のものなのですか?
そもそも、なぜ、こんなに債権があるのでしょうか?」

「これは、グループ会社のフォレスト(株)に対するものと、
マウント(株)に対するものと、(株)ウッズに対するものですね。
まぁ、グループ会社間で、色々とやりとりしてますからね。」

「はあ・・・、じゃあ、負債にあるものもそうですか?
仮受金4億、前受金5億、短期借入金4億・・・」

「借入金のなかには、もちろん、銀行借入も含まれてますけどね。」

「経理部長、なんで、こんな処理をしているんですか?」

「これだと、資産と負債が両方とも膨らんで、
自己資本比率などの指標がかなり悪化しますし、
第一、グループ会社間の資金の流れがよく分からないと、
金融機関からの印象も悪くなりますよ・・・」

「そうなんです、確かに、銀行の担当者から、
“御社の資金の流れが不透明で・・・”と言われたことがあります。」

「会長、私の申し上げていることは、お分かりですか?」

「言っていることは、なんとなく分かりますよ。
確かにそうなんです。
そうなんですけどね、自分でも、資金の流れがどうなっているか、
よく分からなくなってるんですわ」

つづく

(福岡雄吉郎)

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2018年2月20日 (火)

平成の30年「銀行商品録 だましの履歴書」⑤

だましファイル⑤「シンジケートローンによる融資拡大」

平成18年、ライブドアショックが起こり、
現状の三大メガバンク体制が始まりました。
その翌年、平成19年に拡大されたのが、
「シンジケートローン」です。

「シンジケート」という言葉の響きに、
やや暗黒めいた、やばい結束のイメージを感じます。
が、日本語で言うと、「協調融資」と訳されています。
最初からそういえばいいものを、
わざわざ横文字にして「シンジケートローン」というのが、
銀行のだましテクニックです。

内容としては、
ある銀行が主幹事となって、複数の銀行で会社に資金を貸す、
ということです。
主幹事となる銀行が、複数の銀行を含めての、
融資契約書を請け負い、各銀行と連絡を取り合います。

主幹事銀行にとっては、リスクの分散はできるは、
主幹事としての手数料は取れるは、で、おいしい融資なのです。
しかも、銀行同士で、手合わせも行われていました。
「この会社はうちが主幹事をさせていただきますから、
 あの会社では御行が主幹事をお願いします。」
「了解しました。金利はお互いに〇%ということで、どうですか?」
といった具合です。早い話し、談合ですね。

「銀行から、シンジケートローンで融資しましょうか?
 って言われたんですけど、どうなんでしょうか?」
という経営者からの質問を、その当時よく受けました。
特に、3億以上の融資になると、不良債権化することを恐れ、
リスク分散でシンジケートローンを提案してくる、
ということが多かったのです。
銀行から
「シンジケートローンの形なら、3億以上でも、
 融資可能ですよ。」
などと言われ、
その金額に踊らされてしまう社長が多かったのです。
そんなに借りれるんだ!と思っている瞬間に、
「多少の手数料がかかります。」と、さらっと言われるものの、
借りれる金額に喜んでいるので、手数料のことが頭に残らないのです。

そういう提案を受ける会社の特徴は、大きく2つありました。
ひとつは、自己資本比率が20%以下で、
財務諸表による格付け(スコアリング)が、
正常先ではないと判断されていた会社です。
要は、評価の低い会社です。

ともうひとつは、単純に、
社長に提案したらOKしてくれそうな会社です。
社長が銀行サマサマ病で、交渉など仕掛けてこない、
銀行にとっては、ありがたい会社です。
しかも、
そんな会社ほど、高い金利や手数料を取られていたのです。

今も、シンジケートローンは存在します。
もしも銀行からこの提案がきたら、
「おたくはうちをどう評価しているんですか?」
と、たずねてほしいのです。
加えて、手数料を稼がせるだけの、
そのような話しには、のらないでほしいのです。

(古山喜章)

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2018年2月19日 (月)

2018年の課題と対策⑦

値上げを実行しよう。

値上げしないことには過去のような利益が実現しないと判明してきますね。
しかし、値上げは実に難しいことですね。
ところが自社の仕人先は いとも無神経に値上げを求めてきます。
拒否すればもう売らないと言う、

それでは、自社も客先に値上げを求めても応じないなら、
売る事を拒否すればいいのですがそうは行かないはずです。
売上がたちまち、無くなってしまうでしょう・・・
この恐怖感と闘えますか?

いつになったら、すんなりとこちらの希望通りに値上げが通るのか?
同業者も同じような事でしょう。
本年はもつと真剣に この事について考えるべきです。
どうすれば値段が通るのか!

ただ売上主義で数を追いかける市場環境ではなくなっており、
よりスペシヤリティーな商品群でないと売れなくなっています。

お客様に値上げをお願いしてみる。
どんな答えが返ってくるでしょうね?

どうしたら値上げが通るのか?
御社が得意先にとって大切な仕入先なら、考えてもくれるはずです。
利幅の少ない商売は、やがて行き詰まるのですから、
本年の課題は値上げが通る売物に変える事です。

(井上和弘)

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2018年2月16日 (金)

平成30年度 税制改正【事業承継税制②】

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものの一つとして、
事業承継税制の要件緩和があります。

これまで事業承継税制そのものは、
制度として用意されていました。

しかし、使い勝手が悪いということで、
全くと言っていいほど使われてきませんでした。

政府は、優れた中小企業が、
相続税、贈与税の負担のせいで廃業するのは、もったいないということで、
平成30年度の税制改正で、
これまでの要件を大幅に見直すことにしました。

雇用8割条件が緩くなったことは、前回のブログのとおりですが、
納税猶予を受けるためには、もう2つ条件があります。

簡単にいえば、

②人の条件
・先代経営者は、会社の代表者であったこと + 筆頭株主であったこと
・後継者は、会社の代表者になること + 筆頭株主になること
・ただし、後継者に株式を贈与する際は、後継者が3年以上取締役であること
・そして、後継者は、5年間は会社の代表者であり続けること

③株式保有条件
・後継者は株式を保有し続けること

という条件です。

このうち、③についてですが、
たとえば、納税猶予を受けた株式の一部を、
息子に売却した、従業員に売却した、誰かに売却した、
ということだと、その時点で猶予されていた税金を支払うことになります。

要するに、株式はずっと持ち続けている必要がある、ということです。
へたに動かすと、税金を払うはめになるからです。

では、この場合、どうするのでしょうか?

納税猶予を勧める税理士さんは次のように言います。

『この場合、納税が猶予された株式を、
自分の次の後継者に贈与したときに、
改めて納税猶予の制度を使えば、そのときには自分の納税は、免除されます。』

これで確かにご自分の納税は免除されるかもしれません。
しかし、やはりあくまで猶予なのです。

言い方は悪いですが、
自分の隠れた負債(猶予された税金)を、
自分の息子(次の世代)に先送りするだけなのです。
次の世代からすれば、手放しで喜んではくれないでしょう。

そして、次の世代が納税猶予を使おうとする場合、
政府の方針で、この制度の枠組みが変わっている可能性は、
十分に考えられます。

グループ法人税制、少人数私募債の分離課税、一般社団法人など、
国家は常に抜け道的対策に網をかけてきます。

ですから、私たちは、株式承継をする場合は、
高額退職金、種類株を活用して、
その都度決着をつけていただくよう、指導しています。

(福岡雄吉郎)

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2018年2月15日 (木)

平成の30年「銀行商品録 だましの履歴書」④

だましファイル④「デリバティブ商品と外国債権」

平成16年、
銀行での証券仲介業務が解禁されました。
〇〇〇債といった外国債権や、
円/ドルの先買いデリバティブ商品などを、
銀行が販売してもOK、となったのです。

その数年後、ある女性経営者から相談を受けました。
「銀行にだまされました!
 絶対に上がるといわれてランド債を買ったのに、
 上がるどころか、だだ下がりです!」
私は、そもそもランド債がわかりませんでした。
「ランド債って、何なんですか?」
「ご存じないですか?
 南アフリカ共和国の通貨が、ランドなんですよ!」
こっちはランドなる通貨など、気にしたことがありません。
「どうしてそんな、
行ったこともないような国の債権を買うんですか?」
と尋ねると、
「いやぁ、銀行の担当から、
これからはブリックスの時代ですよ!
今のうちに買っておけば上がりますよ!と言われて…。」
「買うお金はどうしたんですか?」
「その銀行から、半分くらい借りました…。あとは自己資金です。」

で結局、損切をして、ランド債を売却し、借入返済にあてたのです。
「リスクがあるとの説明は、銀行から受けなかったんですか?」
「たぶん受けてると思いますけど、はっきり覚えてません・・・。」
そうなのです。
銀行は形だけの軽いリスク説明で、
外国債券の売買契約をじゃんじゃん取っていったのです。

さらに大きい被害となったのが、
円/ドル先買いのデリバティブ商品です。
しかも、貿易などない、円/ドル先買いなど、
必要のない会社にまで、売りつけていたのです。
財務担当や経営者が、説明を受けたところで、
その複雑な仕組みやリスクを理解できるわけがありません。
売っている銀行員も、知識の程が怪しいのですから。

「円安になれば儲かりますよ。」とそそのかし、
億単位でドルの先買いをさせ、購入資金を貸したのです。
しかしその後はますます、先の見えない円高に陥り、
多くの会社が多額の損失を計上させられました。
しかも銀行は、自分たちだけは損を被らないよう、
貸付先の損失処理にまで、介入してきたのです。
銀行の流れにおされて損を確定させた会社は、
損失処理で、さらに借金が増えました。

そのとき、
私たちのもとに相談に来た会社だけは、
銀行からの損失処理要請にのらず、粘り続けることで、
円安局面まで耐え、損失をださずに処理できたのです。
粘り勝ちです。

リスクを十分に説明すれば、はっきりいって、
誰も買わないでしょう。
それが、いくら金融庁が「十分にリスクを説明しなさい」
と言えど、リスク説明のもめごとが絶えない理由なのです。
それに、儲かる・得をする、という言葉を受けた瞬間、
リスクのことなど頭に入ってこない経営者が、多いのです。
今も新聞では、外国債権などの広告をよく見かけます。
それを見るたびに、
リスクや手数料の説明の、文字の小ささに、腹が立つのです。

(古山喜章)

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2018年2月14日 (水)

平成30年度 税制改正【事業承継税制①】

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものの一つとして、
事業承継税制の要件緩和があります。

これまで事業承継税制そのものは、
制度として用意されていました。

しかし、使い勝手が悪いということで、
全くと言っていいほど使われてきませんでした。

政府は、優れた中小企業が、
相続税、贈与税の負担のせいで廃業するのは、もったいないということで、
平成30年度の税制改正で、
これまでの要件を大幅に見直すことにしました。

この制度がなかなか普及しなかった理由の一つが、
①雇用維持の条件です。

制度ができた当初は、
この制度の適用を受ける前と比べて、
5年間(毎年)は雇用の8割を継続することが義務付けられてきました。

これがあまりに厳しいということで、
平成27年の税制改正で、
雇用8割を毎年チェックするのではなく、
5年間の平均でチェックするようになりました。

しかし、これでもなかなか制度が普及しなかったので、
今回、さらに条件を緩くすることになりました。

具体的には、この5年間は雇用8割という条件が仮に満たせなくても、
経営状況の悪化とか、この他正当な理由があれば、
納税猶予は継続する、ということになりました。

また、業績が悪い、財務体質が悪化している場合、
特例承継期間(5年)が経過すれば、
M&Aで株式を譲渡するとき、会社が合併により消滅するとき、
会社が解散をするときなどには、納税猶予税額を免除することにもなっています。

簡単にいえば、
「会社がひどいときまで、税金はとりませんよ」
ということです。

先ほどの雇用面の条件以外に、
納税猶予を受ける条件として、あと2つあります。

次回につづきます。

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2018年2月13日 (火)

平成の30年「銀行商品録 だましの履歴書」➂

だましファイル➂「社債引き受け業務の拡大」

「銀行の社債には、やられました…。」
という声を、いまだによく聞きます。
銀行破綻が相次ぎ、貸し渋りが問題化するなか、
平成10年に、社債発行の自由化が行われました。
企業による社債の発行が、しやすくなったのです。

さらに平成12年に創設されたのが、
「特定社債保証制度」なるものです。
銀行や保証協会が基準を設けて、
中小企業の社債発行を引き受けてもいいですよ、
という制度です。
「銀行の社債にだまされた!」という起源は、ここにあるのです。

金融機関がいっせいに、社債引き受けの審査をするための
「適格基準」という自主基準を設けたのです。
「御社の財務状況からしますと、
私どもの適格基準に該当しておりまして、
社債の発行を引き受けることができますよ。」
「社債、ってなんですか?」
「普通の融資は、お客様からの預金を元にした、間接金融です。
 社債引受けは、預金ではなく私共の資金を提供する、直接金融なんです。」
「ほう・・。」と、わかったような返事をします。
さらに、
「ただし、それには適格基準という条件がありまして、
 御社のような、財務状況が優秀な企業にしか取扱いのできない、
 限られた、特別の制度でございます。」
「そうなんですか!」
と、銀行のおだてに嬉しくなり、少しくいついてしまいます。

「金利や返済条件も、優遇されていますよ。」
「えっ、そうなんですか。」
と、くいつきが激しくなります。
「通常融資に比べて、金利を低く設定できますし、
 毎月の返済がなく、償還時の一括返済で結構なんです。」
「それは資金繰りがラクですねぇ!」
と、かなりその気になってしまいます。
「そうなんですよ!
 それに、社債を発行されたことが、新聞にも掲載されます。
 これは、社会的信頼の向上にもつながりますよ。」
と、よく考えればわけのわからないことまで、
誘い文句として浴びせてくるのです。
で、いい気になってしまい、
「わかりました。ぜひ、お願いします。」
となるのです。

そのあとに、
「社債の引受けにあたり、いくつかの手数料をいただきますので、
ご了承ください。」
と言われるものの、いい気になっているので、
「結構でございます。よろしくお願いします。」
と、社債発行へ向けて、動き出すのです。
すると、財務代理人手数料、登録手数料、
引受手数料、元利金処理手数料、償還時までの保証協会保証料、
などなど、あらゆる手数料が津波のごとく襲ってきます。
そこではじめて、
「やられた!」となるのです。

バブル崩壊からまだ10年もたっていない当時、
資金調達に苦しむ経験をした中小企業が多かったのです。
そんな折、社債発行という、
特別感のある融資は魅力的に映ったのです。
とはいえ、最近になってもまだ、
決算書に「社債」という負債項目を見かけるのです。
「これは銀行に、してやられましたね。」と言うと、
「そうなんですよ…。」との返事がきます。
「社債引き受け」というだまし商品は、今も健在なのです。
どうか、お気をつけ下さい。

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2018年2月 9日 (金)

平成30年度 税制改正⑤

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものとして、
一般社団法人を使った相続対策が厳しくなりました

一般社団法人には持分がありません。
このため、一般社団法人に株式を持たせることを通じて、
オーナー一族の支配は維持しつつ、
オーナー社長の相続対策を行ってきたのです。

ところが、あまりに一般社団法人を使った節税を行う経営者が増えてしまったため、
「けしからん」となり、今回の税制改正によって、
これまで通りの使い勝手の良さが失われることとなりました。

②特定の一般社団法人に対しては相続税がかかる

一定の条件を満たす一般社団法人には、
相続税がかかるようになりました。

相続税額=(一般社団法人の純資産額)÷(同族役員の数)
となります。

どうすれば、よいのでしょうか?

(1)そもそも相続税がかかる対象から外す
相続税がかかるのは、簡単にいえば、
全役員の50%超が同族役員の場合、です。

ですので、同族役員の割合を50%以下にすれば、
相続税の対象から外れます。

しかし、この場合は、オーナー一族で
一般社団法人を支配できないことになります。
経営が安定しなくなるリスクが大きくなります。

相続税がかかるのはやむを得ないと考えた場合、
少しでも相続税を安くすることを考えます。

この場合の対策は、
(2)純資産額を減らす
相続税額=一般社団法人の純資産額÷同族役員の数、
ですので、分子である純資産額を減らせば、相続税額は減ります。
つまり、一般社団法人を継続的に赤字にする、
ということです。

(3)同族役員の数を増やす
相続税額=一般社団法人の純資産額÷同族役員の数、
ですので、分母である同族役員の数を増やせば、相続税額は減らせます。

(4)すぐに相続が発生しない人(若い人)を役員にする
当然ですが、相続税額は誰かに不幸があったときに発生するものです。
なので、すぐに亡くなる可能性が低い若い人材を役員にする。

この改正は、
平成30年4月1日以降に設立された一般社団法人の役員が死亡した場合に
適用されます。

平成30年4月1日前に設立された一般社団法人の役員が死亡した場合には、
平成33年4月1日以降の役員死亡に係る相続税について適用されます。

いずれも、メリット、デメリットがある対策です。
一般社団法人の一番のポイントは、
決議が資本力ではなく、頭数で決まってしまう、ということです。

見識のある人間を役員にいれておかないと、
気付いたら乗っ取られるというリスクも大いにあります。

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2018年2月 8日 (木)

平成の30年「銀行商品録 だましの履歴書」②

平成という時代が終わりを迎えるにあたり、
さまざまな振り返りが行われています。
平成を彩る銀行の商品群にも、
中小企業が泣かされた、数々の「だましの履歴書」が、
あるのです。

だましファイル②「保証協会付き融資の拡大」

平成10年、「金融安定化保証制度」が政府により施行されました。
その前年から、拓銀を始め、金融機関の破たんが相次ぎました。
銀行経営そのものが不安定になるなか、
いわゆる「貸し渋り」が発生していました。
結果、中小企業は資金調達をしづらくなっていたのです。
で、これではいかん、ということで、
資金調達ができるよう保証協会がバックアップする、
ということで政府が資金をばらまいたのが、この制度です。

保証協会が100%保証するのですから、
貸し渋りどころか、銀行は過剰に貸し始めたのです。
しかも、ろくな審査もなく、じゃぶじゃぶ貸したのです。
それまで貸し渋りに見舞われていた経営者は、
喜んで借りまくりました。
金利が多少高かろうが、保証協会の保証料を払おうが、
「借りれるときに借りておけ!」という具合です。

その結果、
「借りた資金で株式投資をして多額の損失!」
「使い道がないのに多額の借入金をする会社が続発!」
「保証融資を受けた会社が1ケ月後に倒産!」
など、制度の是非を問う新聞記事が残されているのです。

結局、会社に残されたのは、負債の返済だけです。
銀行は、保証協会の100%バックアップでリスクなく、
高い金利だけを受け取っていたのです。
人事がすべての銀行員が、
自らの成績をあげるため、内容の是非など無関係に、
じゃんじゃん貸しまくったことは、察しがつきます。

保証融資を拡大することで、
最近で言う、ゾンビ企業を大量発生させてしまったのです。
当然、ゾンビ企業はやがて倒産して消えてゆきました。
なのに、その約10年後、平成21年には、
金融円滑化法が登場し、同じようなことを繰り返したのです。
融資審査の格付けランクを1段階アップし、
本来は貸せないような会社にも、融資を拡大させたのです。

銀行にすれば、
「10年に一度のビッグウェーブが再来した!」
といったところなのです。
生かさず殺さず、金利だけを受け取り、
リスクは保証協会に負わせる、という構図は同じなのです。

平成10年の保証協会による融資拡大を経験した経営者は、
その後も、当時の条件が当たり前のようになってしまいました。
保証協会付き、担保・個人保証付き、高金利、です。
それでも借りれて助かった、という思いがあるからか、
保証協会など必要ない、強い財務体質になっていても、
同じような条件を受け入れてしまっていたのです。

保証融資が拡大される2年前の平成8年、
銀行による大蔵官僚への過剰接待が発覚しました。
俗に言う、ノーパンしゃぶしゃぶ事件が発端です。
歌舞伎町のローランという店です。
しかも、店舗の顧客名簿が流出し、
大蔵官僚112名の大量処分となったのです。
大蔵省は解体され、金融庁を発足させたのが、平成10年です。
この年から、銀行のだまし商品は、
ますます加速することになったのです。

(古山喜章)

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2018年2月 7日 (水)

平成30年度 税制改正【一般社団法人④】

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものとして、
一般社団法人を使った相続対策が厳しくなりました

一般社団法人には持分がありません。
このため、一般社団法人に株式を持たせることを通じて、
オーナー一族の支配は維持しつつ、
オーナー社長の相続対策を行ってきたのです。

ところが、あまりに一般社団法人を使った節税を行う経営者が増えてしまったため、
「けしからん」となり、今回の税制改正によって、
これまで通りの使い勝手の良さが失われることとなりました。

②特定の一般社団法人に対しては相続税がかかる

【1】次のどちらか、いずれかの要件を満たす一般社団法人が対象
・相続直前で、全役員の50%超が同族役員(※1)である
・相続前5年以内において、全役員の50%超が同族役員である期間が、3年以上ある

※1同族役員とは
・被相続人(亡くなった方)
・その配偶者
・3親等内の親族
・その他その相続人と特殊関係があるもの
  (被相続人が会社役員となっている会社の従業員等)

近い人を役員にしていると、あぶない、ということです。

【2】相続税はいくらかかるか?

相続税額=(一般社団法人の純資産額)÷(同族役員の数)
となります。

たとえば、一般社団法人の純資産額が3億円
同族役員の数が5名いたとすると、
3億円÷5名=60百万円が相続税の対象となる、
ということです。

計算式を見るとわかるように、相続税を決めるポイントは2つです。
・純資産額
・同族役員の数

一般社団法人を使って自社株を動かした会社は、
その多くが、借入をして、自社株を取得しています。
ですので、自社株を動かした直後においては、純資産額というのは大きくないです。
その状態で相続が発生すれば、相続税はたくさんかからずに済みます。

ただし、自社株を取得したあと、純資産を蓄えている場合は、
このままだと、それなりの相続税がかかることになります。

ではどうすればよいか、は次につづきます。

(福岡雄吉郎)

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2018年2月 6日 (火)

平成の30年「銀行商品録 だましの履歴書」①

平成という時代が終わりを迎えるにあたり、
さまざまな振り返りが行われています。
平成を彩る銀行の商品群にも、
中小企業が泣かされた、数々の「だましの履歴書」が、
あるのです。

だましファイル①
平成元年からバブル崩壊まで
 「株価下落を承知で株式取次業務を拡大!」

一昨年あたりから、元銀行員による、
バブル期を振り返る書籍が多数出版されました。
共通するのは、バブル崩壊を前に、
株価の下落を承知で株式売買の取次を進めていた、
ということです。つまり、
株価下落は一時的で、またすぐに上がるだろう、
という楽観的な思惑を、どの銀行員も抱いていたのです。

バブル期「不動産の価格が上昇しすぎだ!」
という事態を受けて、1990年、大蔵省は銀行に対して、
不動産業への融資制限をかける、総量規制を断行しました。
この急ブレーキが、バブルを一気に崩壊させる原因となった、
と言われています。
1991年のバブル崩壊です。

総量規制で不動産業への融資を規制された銀行は、困りました。
大口の融資先への貸付を、止められたのですから。
そこで目を向けたのが、ノンバンクへの融資です。
いわゆる、消費者金融です。
で、消費者金融を通じて、個人や法人に、
バブル崩壊のギリギリまで、株式や土地を売りつけていたのです。
つまり、総量規制とはいうものの、
銀行法に触れないノンバンクを迂回して、
同じことをやっていたわけです。

しかも、もはや価値が下落することを知りつつ、
うま味を得ることや、手元のババを手放すため、
崩壊ギリギリまで、顧客に売りつけていたのです。
その頃、
銀行にそそのかされて株式や土地を買った個人や法人は、
気の毒としか、言いようがありません。

買い手にとって、バブル崩壊後に残ったのは、
多額の借入金だけです。
倒産・廃業に追い込まれた中小企業が、続発したのです。
で、そのあおりを受けて、
家族が一家離散になる、ということが頻発したのです。
詳しくは書きませんが、私もその一人なのです。

平成の30年は、バブル崩壊から始まりました、
この30年の間に中小企業を苦しめた、
銀行による数々のだまし商品を、振り返ってゆきたいと思います。

(古山喜章)

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2018年2月 5日 (月)

2018年の課題と対策⑥

新たな設備投資を実行しょう。

人手不足対策ばかり述べてきましたが、設備集約、技術集約産業に位置する会社は、
新たな設備投資を実行する年になります。
省力化、省人化、品質向上、新商品、コストダウン、超先進化、
に寄与する投資に考えをめぐらしてほしいのです。
来年も又、減価償却、対象投資になる設備投資を実行してほしいのです。

こんなことがあります。
「設備投資をしたいものがあります。しかし、まだ償却が終っていないし、
借入金も残っているのです。」

それなら 償却が終っていない設備は売却して、お金に変えなさい。
売れないなら、特別除却損にして、節税しキャシュフローを良くしなさい。
少しでも借入金を返しなさい。

本当に会社にとつて投資効率の上がる設備が必要なら、
新たな設備投資を実行すればよいのです。

新たな借入金は、銀行融資の条件が良くなり、
税制上の即時償却の特点を活用して行い、
品質向上、差別化を図る年になるのです。

AO、IT化のスピードは注目していないと、
すぐにライバルに置いてきぼりを食らいます。
2017年の年は、ほとんどの会社は収益が良かった年です。

新たな年には、良かったと安心する会社が多く出ます。
安心や慢心せずにやがて来る、難題課題を乗り越えるための投資をするのです。
過去のものから収奪してはならないのです。
過去の財産の上に胡座をかいてはならないのです。

投資があるからリターンがあるのです。
顧客からの目で他社より優れているとの評価を頂くため努力しようとするなら
新たな設備投資実行は、新年の新たな課題です。

何もありません! と 言うのは頭の悪さを示しているのです。

(井上和弘)

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2018年2月 2日 (金)

平成30年度 税制改正③

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。

中小企業にとって影響があるものとして、

一般社団法人を使った相続対策が厳しくなりました

一般社団法人には持分がありません。

このため、一般社団法人に株式を持たせることを通じて、
オーナー一族の支配は維持しつつ、
オーナー社長の相続対策を行ってきたのです。

ところが、あまりに一般社団法人を使った節税を行う経営者が増えてしまったため、
「けしからん」となり、今回の税制改正によって、
これまで通りの使い勝手の良さが失われることとなりました。

①一般社団法人への贈与税の見直し

オーナーが保有する株式を一般社団法人に贈与した場合、
贈与税を不当に減らすことにならない場合は、
贈与税がかかることはありません。

反対に、一般社団法人への贈与を通して、
贈与税が不当に減少することになると判断された場合は、
贈与税がかけられることになっています。

『贈与税を不当に減少することとならない』
と判断されるためには、
次の要件を満たす必要があります。

1.法人の運営組織が適正であること

2.同族親族など関係者が役員等の3分の1以下であること

3.法人関係者に対する特別利益供与が禁止されていること

4.残余財産の帰属先が国等に限定されていること

5.法令違反、仮装隠蔽等の公益に反する事実がないこと

この要件を満たす場合は、贈与税がかからない、
とされてきました。
平成30年度 税制改正においては、
この要件のうち、1~5、いずれかでも満たさない場合には、
贈与税が課税されることになりました。

この要件のうち、大切なのは、No2です。
役員のうち、オーナー一族の関係者が占める割合が3分の1以下ということは、
オーナー一族の意見が通りにくくなる、
ということです。

会社支配のことを考えるなら、
ここは、3分の1超にしておきたいですが、
税金を払わずに、オーナー一族が支配をすることは、
できない、ということです。

(福岡雄吉郎)

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2018年2月 1日 (木)

AI融資が動き始めてます

AI○○がやたらと増える中、
みずほ銀行が、
中小企業を対象にしたAI融資を導入予定、
との記事がありました。

ちなみに個人向けでは、すでにスタートしています。
ソフトバンクとの共同出資でJスコアという、
格付け審査会社を立ち上げています。
ネット上で様々なアンケートに答えれば、
自動的に限度額や金利が設定されます。

アンケートには、年収などの必須20項目と、
回答しなくてもよい任意項目があります。
アンケート結果から、1000点満点での点数が出て、
限度額や金利が提示されます。
600点以上で、融資可能です。

必須項目は、
家族構成、学歴、勤務形態、業種・職種、ローン有無などです。
で、任意項目に回答してゆくと、点数がどんどん加算されます。
融資の限度額が上がり、金利が下がります。
任意項目の設問は、性格、ライフスタイル、現状のお金の使い方、
等など、個人情報の多岐にわたります。
当然、ウソの回答をAIが見破るための設問も含まれてます。

答えるほどに条件がよくなるものの、
すべてをさらけだすようなことになってゆきます。
誘い文句は、
「あなたの可能性を知りたくありませんか?」です。
銀行は、こんなことを考えさせたら、うまいです。

このように、
スコアリングも融資も、スマホだけで完結してしまうのです。
回答するほどに、点数が瞬時にバラバラバラっと上昇し、
条件が改善されてゆくので、見た感じ、ゲーム感覚です。

で、このJスコアを使ったスコアリングの仕組みを、
中小企業を対象にして取れ入れよう、ということなのです。
言ってみれば、これまで審査部が入力していた決算書データを、
会社側で入力してもらおう、というもくろみです。
その入力が正しいかどうかは、決算書があれば、
機械的に精査が可能です。

加えて、任意項目では、
直近の売上・支払いデータや、他行も含めた返済データ、
取引先情報や、社長の日常的な行動から悩み事まで、
ありとあらゆることを入力させることになるでしょう。
回答するほどに条件が良くなるなら、
どんどん入力してしまう経営者が出てくることが、予測されます。
しかしそうなると、自ら銀行管理に陥るようなものです。
すべてを握られてしまうのです。

銀行は人員削減が喫緊の課題です。
となると、遅かれ早かれ、
法人向けのAI融資は、やがて動き始めます。
その折には、銀行の画策に陥らぬよう、対応してゆきたいのです。

(古山喜章)

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2018年1月31日 (水)

事業承継セミナーを開催します!

今年に入っても、事業承継に関するご相談が相次いでいます。

「事業承継」と一言でいっても、内容はさまざまですが、
私たちのもとに相談に来られる会社の多くは、
『自社株の評価が高い』とお悩みです。

昨年末に平成30年の税制改正大綱が発表され、
事業承継税制 と 一般社団法人に関係する
改正が行われました。

事業承継税制は、従来から条件が緩められ、
「使い勝手が良くなった」と思われている方が多いですが、
私たちはお勧めしていません(昨日のブログをご覧ください)。

一般社団法人については、
税理士会から『けしからん』という声があがり、
厳格化する方向になっています。

私たちがお手伝いしてきた方法は、

・創業者や中興の祖に、高額退職金を支給すること

・退職金やオフバランスで株価を下げて、後継者に譲渡すること

・種類株式を活用して、わずかな株式でも支配権を移すこと

退職金と種類株式を中心に事業承継の方法を考えますが、
10社あれば、10社それぞれ固有の悩みがあり、
その都度、知恵を振り絞って、対策を考えています。

事業承継のお手伝いをしていて実感するのは、
こうした問題は、単に法律や制度がこうなっています、
という理論だけでは決して片づけられない、ということです。

実際に現場に入って、汗水流したノウハウが
本当に大切だと感じます。

そういう意味において、
私たちICOコンサルティングは、
たくさんの会社の事業承継をお手伝いして、
そのノウハウもたくさん蓄えてきました。

まだまだ、事業承継に悩んでいる会社、
これから悩まれる会社があることは間違いなく、
そのような会社の経営者、後継者のために、
2018年3月に事業承継セミナーを開催します。

平成30年3月7日(東京)、平成30年3月13日(大阪)にて、
井上和弘による事業承継セミナーを開催します。

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【22000部(第8刷)になりました!】
平成27年1月にダイヤモンド社から発売した、
「儲かる会社をつくるには、赤字決算にしなさい」
がおかげさまで、増刷を重ねつづけ、20000部になりました。
弊社でも、ご注文を受け付けております。
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2018年1月30日 (火)

事業承継税制の見直しに気を付ける

使い勝手が悪い!
と言われていた事業承継税制に、
10年間の期限付きで、見直しがされました。
納税猶予の条件であった、
8割の雇用制限を緩和するなど、
見なおされた点がいくつかあります。

身近な税理士先生にも、
「事業承継税制が改正されて、今がチャンスですよ。」
等と勧めてくる方が出てくると思います。
それでも、やはり、
この税制を安易には運用したくないのです。

雇用制限が緩和されたというものの、承認が必要です。
と、あくまでも猶予であり、すぐに免除されるわけではないのです。
猶予解除の爆弾を抱えたままになります。
この制度を選択すると後戻りはできず、他の手が打てなくなります。
当然、恩恵を前提にした制度なので、毎年の資料提出を伴います。

どうも私には、
通りゃんせ通りゃんせ、と誘い込んでいるように思えるのです。
♪通りゃんせ 通りゃんせ
 ここはどこの細道じゃ 国税様の細道じゃ
 そぉっと通してくだしゃんせ ご用のないもの通しゃせぬ
 このこの社長のお祝いに お株を納めにまいります
 行きはよいよい 帰りはこわい
 こわいながらも通りゃんせ 通りゃんせ♪

つまり、
行きはよいよい帰りはこわい、の天神戦法ではなかろうか、
という気がしてしかたがないのです。
入口を広くして誘い込んでおきながら、時間の経過のなかで、
出口を小さくしてゆくのではないか、という危険を感じるのです。

何より、この税制を活用しなくとも、
高額退職金支給や種類株式活用で、
株価対策や株式対策が実現できるなら、それが何よりです。
時の経過を待たずして、解決できるのですから。

「しかし、この税制を使えば、コストがかからないですよ。」
とおっしゃる方が出てきます。
タダほど高いものはない、ということを、
その気になっているときは、忘れてしまうものなのです。
勧められたからと安易に飛びつかず、
踏みとどまって考え直してほしいのです。

(古山喜章)

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2018年1月29日 (月)

2018年の課題と対策 ⑤

人手不足が収益の足を引っ張る。

私は、言い続けている事があります。
不足している商品、サービスを提供してゆくのが会社の役割ですと。
労働集約産業の中心は人です。
設備産業は、先進的設備の設置です。
技術集約産業は、研究開発による先進技術です。
金融不動産提供業は、資金お金です。

自社がどの分野に存在しているかが明確であるなら、
平素 普段からそれに対処するのは社長の務めなのです。
人が足らなくなってガタガタするのはおかしいのです。

私の関係先で労働集約産業と言えば、
外食産業の小諸そばの株式会社三ッ和、
小諸そばは 都内に100店舗あります。

運輸物流業のアサヒロジスティクス株式会社 
サービスドライバーは1700名、
作業スタッフは2000名いらっしゃいます。

両社とも 人手不足でお困りの声は聞きません。

そらそうでしょう。
両社とも経営理念の中に『 ES』 社員満足度を向上する、という理念があり、
諸施策が他社にはないものが打たれているのです。

人がいなくなったからといって手を打っても効果はありません。
従業員の定着度が良いのであれば、不足はおこりません。
なぜ?  社長が従業員を「大切にしたい」との気持が伝わっているからです。
日々のコミュニケーション密度が全く他社とは異るからです。

経営戦略とは差別化、集中化でしょう。
人に対しての労働条件、環境、思い、を明確にして、
差別化して、その課題にエネルギーを注げばいいのです。

特に『人』問題は、一日にして解決しないのです。
しかし、始めて、続けないといけないのです

(井上和弘)

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2018年1月26日 (金)

高額退職金の裁判事例 ④

昨年、建材金物の製造販売業の会社の
代表取締役(創業者ではない)に対して支払われた
死亡退職金をめぐって、東京地裁が判決を下しました。

会社は、売上が13億の会社です。
支払った退職金は、4.2億円です。

会社が、最終報酬 × 役員年数 × 6.5倍
として退職金を計算したのに対して、
税務署は、最終報酬 × 役員年数 × 3.26倍
が適正額として主張しました。

双方納得せず、裁判となりました。
そして、昨年、裁判所は4.89倍が適正と判断しました。

この倍率は、同業他社で実際に使われた倍率をもとに計算されています。

ここでいう同業他社というのは、
次の①~⑤を基準に選ばれました。

①同一県内にある会社

②業種の細かい分類が同じ会社

③売上金額がこの会社の半額以上、倍額以下であること
 (倍半基準といいます)

④この会社と同じく、死亡を理由として、
 代表取締役に対する支払われた役員退職給与の支払があること

⑤訴訟等が発生していないこと

この条件を満たすような会社の倍率を使って、
4.89倍という倍率を出したのです。

同業種というだけでなく、
売上額が半分以上倍額未満という基準、
あるいは、同様の事情で支払われていること、
といった内容もポイントとなりました。

で、なぜ、裁判所は4.89倍という数値を使ったのか、ですが、
これは、税務署が使った3.26倍という数字を、
1.5倍しているのです。

3.26×1.5=4.89、なのです。

では、なぜ1.5倍したのか、ですが、
これに明確な理由はありません。

ただし、この社長は役員に就任してから、
①一時8億あった借金を返済した

②売上高を倍にした

③経営者の世代交代の橋渡しをした

など相応の功績を残しています。

本来、役員退職金は、退職した役員の具体的な功績等に応じて支給されるべき、
ということで、相応の功績を残したこの社長に、
4.89倍という倍率が認められたのです。

国税側は、この判決を不服として控訴していますが、
続報が入り次第、ブログで紹介いたします。

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2018年1月25日 (木)

銀行の言われるままに、資料を渡してはいけない

「借入金の内訳明細など、
なんでもかんでも銀行に渡さないでください!」
と、前回書かせていただきました。
すると、数名の方から、
「うちも渡していました!」という、
深き反省の弁をいただきました。

なぜ渡していたのか尋ねると、
「いやぁ、そういうもんだと思っていましたので…。」
「これまでずっと渡していたので、
何の疑問も感じていませんでした…。」
といった回答を、皆さんからいただきました。

なかには、
「内訳明細から別表まで、全部渡していました!」
という例もありました。
これではもう、隠すところなしの丸裸、すっぽんぽん状態です。
出しすぎ、見せすぎです。
「どうぞお好きなように。」
と身を委ねているようなものなのです。
交渉相手に丸腰どころか、すっぽんぽんでは、
有利な条件を引き出せないのは、当然なのです。

銀行はとにかく、決算書を欲しがります。
返済能力を判断したいのです。
しかしそれだけなら、
損益計算書と貸借対照表だけで十分です。

なのに、内訳明細や別表まで欲しがります。
融資以外の提案余地を、探しているのです。
「この土地が遊休地なら、
賃貸物件建築の提案をできそうだな。
「この株主構成なら、
うちの事業承継スキームを提案できそうだな。」
「社長がこの役員報酬なら、かなり貯めているな。
社長個人に投資の提案をしたら、喜びそうだな。」
などなど、うま味を確保できそうな提案の種を、
探しているのです。

いままでもらっていた資料を、
「もう提出していただかなくても結構ですよ。」
とは、銀行員は絶対に言いません。
しかし経営者の中には、
「いままで提出していたものを、提出しなくなったら、
 何か怪しまれませんか?どう説明すればよいですか?」
と心配される方もおられます。
そんなときは、
「銀行交渉の外部講師から、きつく指導を受けました。」
と言えばよいのです。

特に、大してお世話にもなっていない銀行なら、なおのことです。
厳しい姿勢で、必要以上の資料は提出を断ればよいのです。
で、ある程度、協調関係を保ちたい銀行なら、
ギブ&テイクの範囲でほどほどに、提出すればよいのです。
要は、個々の関係性において、さじ加減をしてほしいのです。
加減もなく、言われるがままに、資料を渡してはならないのです。

(古山喜章)

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2018年1月24日 (水)

高額退職金の裁判事例 ③

昨年、建材金物の製造販売業の会社の
代表取締役(創業者ではない)に対して支払われた
死亡退職金をめぐって、東京地裁が判決を下しました。

会社は、売上が13億の会社です。
支払った退職金は、4.2億円です。

会社が、最終報酬 × 役員年数 × 6.5倍
として退職金を計算したのに対して、
税務署は、最終報酬 × 役員年数 × 3.26倍
が適正額として主張しました。

双方納得せず、裁判となりました。
そして、昨年、裁判所は4.89倍が適正と判断しました。

裁判のなかで、会社は、
同業種の他社(5社)で支給されている役員退職金のうち、
功績倍率が最も高い他社で採用した倍率を使うべき、
と主張しました。

これに対して、国税側は、
功績倍率として採用するべきなのは、
同業他社で採用した倍率の平均値である、
と主張しました。

同業他社で採用している倍率のなかで、
最高倍率を使うか、あるいは、平均倍率を使うか、
会社と国税側は、まずこの点について争ったのです。

では、裁判所はどういう判断をしたか、ですが、
裁判所は、国税側の主張を支持しました。

つまり、

①功績倍率の最高値は、最高値を採用した会社の特殊性等に
影響される指標として、客観性が劣ること

②合理的な基準によって、同業他社5社が採用されていること

③同業5社が採用した功績倍率にバラつきがなく、
その僅差も、平均の30%程度の範囲内で収まっていること

を根拠として、
功績倍率は、同業他社の平均値を使いなさい、
と判断したのです。

ちなみに、上記②の
『合理的な基準によって』のその基準というのは、
どういうものなのか、くわしくは次回です。

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