アカデミー賞に再発見したい「モチベーション・アップ術」
古山喜章です。
先日の米アカデミー賞で、日本映画「おくりびと」がオスカーを獲得しました。製作・配給の松竹は株価が上がり、監督・主演俳優は地元で栄誉賞を受けるなど、大騒ぎです。
しかしこのアカデミー賞、もともとは労働組合対策のひとつとしてスタートしたことは、あまり知られていません。第一回目が開催されたのは、1929年。大恐慌期への突入、サイレントからトーキーへの移行に伴うリストラ、過酷な労働条件、など、嵐のようなビジネス環境でした。そんななか、ストライキだけは起こされたくない、なんとかしてスターやスタッフのモチベーションをアップさせたい。との思いで、経営陣が知恵を絞り、スタートしたわけです。
日本の企業でいえば、いわゆる「表彰制度」ですね。
私も、サラリーマン時代に、長らく企業の人事・総務として、表彰業務に携わりました。表彰を受ける多くの人に接したなかで、真っ先に出る言葉は共通していました。
「自分の仕事が認められてうれしい」
ということです。「報奨金がもらえてうれしい」という言葉が一番に出る人はいませんでしたね。3月に入り、期末をむかえる企業が多く、従業員表彰の季節でもあります。
最近、「従業員のモチベーションが上がらずに困っています」と嘆く経営幹部の声をよく聞きます。ならば、そんなときこそ、モチベーション・アップの仕掛けを大いに活用してください。大きな金額を報奨する必要はないのです。良い働きをされた従業員を、皆の前で称え、同席する全員が笑顔で大きな拍手を贈る。その場・その瞬間を楽しく盛り上げる工夫をする。そして、新年度に向けての意思統一をする。
それだけで、職場の雰囲気が大きく変わることを、あちこちで見聞きしてきました。
持てる人材の力を最大限に活用するためには、その力を掘り起こす仕掛けが必要なのです。
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