本業は何ですか?
古山喜章です。
「モノ」ではなく「コト」を売る時代だ、とよく言われます。が、「コト」が「事」になると、マスクという「モノ」が奪い合いのように売れていきます。消費者心理の振り子は、とかく忙しく動くものです。
先日、ある家電量販店に行くと、フィルム売り場の横に、お酒の売り場ができていました。
「え?なんでお酒?」
ビール、日本酒、焼酎、ワイン等々、かなりの品揃えです。プライスカードには、家電商品同様、「ポイント10%!」などと書かれています。
まぁ確かに、フィルム売り場は冷蔵ショーケースに入れて販売していますので、その横にビールを売るための冷蔵ケースを配置することは簡単だったのでしょう。
おもちゃやアクセサリーも販売し、もはや家電量販店とはほど遠いものを感じます。
本業は何なのでしょうか?
家電量販店で、お酒の販売がどれほど業績に貢献するのか疑問です。むしろ、在庫金額は増え、発注や在庫管理の手間は増えるは、知識のある店員はいるは、でマイナスのほうが大きいでしょう。
その同じ日の朝、ある地方の駅前にある、くたびれた飲食店舗で、「にゅうめん、コーヒー」と書かれた看板がぶら下がった店を見ました。あまりの節操のなさに、「あぁ、地方にはまだこんな店があるんだなぁ・・・。」と思いましたが、家電量販店にお酒を置くのも、同じことのように思えてしかたがありません。
「なんでもあります」ほど、魅力に欠けることに、なぜ気付かないのか不思議です。
本業にこそ、強みがあります。
だから、その本業を磨いてよそにない「売りモノ」をつくるのです。
一見華やかで安易な道ほど、その先には企業の体力を奪う魔物が潜んでいるものです。
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