判断のものさしを見直す
古山喜章です。
経営環境の変化が激しい今、経営理念や行動指針を見直す企業が増えているようです。苦しいときほど、働くよりどころを明確にすべきなのかもしれません。
先日、ある企業で、判断のものさしとなる、行動指針の文言を見直す研修を行いました。但し、この研修には参加条件がありました。「20年後も、わが社で働いている」つまり、40歳以下の社員であること、が条件でした。
現有する行動指針の文言は、20年前、現在のベテラン社員が中心となって作ったものです。もちろん、今でも十分に通用するものです。それでもなお、20年後も在籍している社員が中心となって、新たな20年を支える判断のものさしをこしらえた、というわけです。ある意味、「ぶっ壊し」です。なかなかできることではありません。
未来を支える中心人材が、経営理念や行動の原点について、ひとつひとつの言葉にこだわりながら、文言を作り上げていきます。熱いディスカッションを通じて、参加者の中に、明確な判断基準となる新たなよりどころが、ひとつずつ誕生していきます。
一年間を通じて行なってきた研修ですが、明らかに、参加者各自がこれからやるべきこと、取り組むべきこと、やってはいけないこと、を明確につかみ取ってきています。
こういう企業は強いと思います。
これから20年間のものさしができただけでなく、その作成プロセスを共有し、意見を戦わせた社員たちが、経営の新たな血となり肉となっていくわけですから。
原点となる経営理念は変わらないが、進むべき方向や経路を決める道具が、羅針盤からカーナビに進化したようなものです。
判断のものさしも、見直しが大切です。
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