井上式 BS面積グラフ で体力測定
古山喜章です。
10月6日と7日、大阪と東京で開催された「井上和弘の財務戦略セミナー」にて、BS面積グラフの作成指導をさせていただきました。
希望者のみの参加でしたが、大阪と東京で、約45社の経営者の方々に参加いただきました。
BS面積グラフというのは、貸借対照表の数字を面積で表し、経営数値のどこに問題があるか、一目でわかるようにしたものです。
(このようなフォーマットを使いました。)
この面積グラフ用紙1枚で、企業の体力測定ができてしまいます。
直近の決算期のデータをもとに作成します。
資産の部では、流動資産が多いか、固定資産が多いか。
負債・純資産の部では、有利子負債が多いか、自己資本が多いか。
業種によってもそれぞれ特徴はありますが、業種を問わず共通していたのは、借入金がない、無借金の企業はこの不況下においても、やはり強い体力を保持していた、ということです。
ある企業(兵庫県の鉄鋼部品メーカー)の例をあげれば、前期は納品先の大手企業の業績が急激に悪化し、売上高は前年度対比で40%ダウンしたそうです。
しかし、無借金であったおかげで、資金繰りに困ることはなく、なんとか最悪期を切り抜けることができたそうです。
その経営者は、「無借金の強さをつくづく実感しました」とおっしゃられました。
かつての不況期に、借入金があるために資金繰でご苦労され、長年の月日を経て無借金に到達されたそうです。
借入金があると、当然ですが、業績が良い悪いに関係なく、返済のキャッシュフローが流出していきます。
売上が計画並みに推移しているときはよいのですが、3割、4割以上のダウンになってくると、とたんに資金繰りが厳しくなります。
こうなると、経営者は日々の資金繰りにばかり追い立てられてしまいます。
「経営者はB/Sバランスシート(貸借対照表)を見なさい。」
これがセミナーの大きなテーマでもあったわけです。
自社のどこに問題があるかを把握し、余分な資産を順次切り捨て、筋肉質の企業体質にする。
それができている企業は、もはや次の時代への準備を着々と進めています。
あなたの企業も、秋の体力測定をしてみてはいかがですか?
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