増える得意先からの不当要求
ICOの森垣英和です。
百貨店と取引のある会社でのこと。
毎年、中元、歳暮期に百貨店から、中元歳暮の利用の要請があり、今年の中元は50万円協力せよとのこと。
今までは20万円であり一挙に2.5倍、百貨店の業況の厳しさから大幅な増額要求。
普段からも、紳士服、宝飾品、輸入ワインなどセール、キャンペーン毎に協力せよと強制されている。
取引関係の優越的地位を乱用してくる得意先にどう対応すべきでしょうか?
日経流通新聞で毎年実施されている卸売業調査(10年8月6日付け)によると、過去1年間の取引関係で協賛金の負担要請は「減った」が4.0%%、逆に、「増えた」は21.0%と約2割の企業が負担増を求められています。
リベート要請では、「大幅に減った」0.2%、「やや減った」3.4%に対して、「大幅に増えた」2.4%、「やや増えた」23.4%と協賛金とほぼ同様の傾向。
もっとも問題なのは、本業の本来取引での価格引下げ要求です。
この1年間で値下げ要求が「増えた」とする企業が半数の49.3%。
日用品、医療用品卸、雑貨卸などでは値下げ要求が7割にも達するといいます。
得意先の不当ともいえる要請を断るためには、4つのパワーを持つことが必要です。
それによって、不当な要求を断る、減らすことができます。
本来、商取引は平等であるはず。
買ってやっているから要求を聞け、を当たり前のように求めるのは間違いです。
4つのパワーとは
①専門パワー・・・技術、商品、売り方だけでなく、あそこには敵わない、任せなければ仕方がないと認めさせる
②提案パワー・・・売上を増やしてゆくため、粗利益額を増額するために何をするか。
次々に、なるほどという提案をし続ける
③協力パワー・・・相互に協力することが得意先にとってもメリットに結びつく、便益に結びつくと理解させる
④強制パワー・・・最後の手段として、取引解消、商品引き上げをほのめかせて影響力を行使する
いずれにしても、本来の取引で得意先にとって「なくてはならない存在」になることが重要です。
これからも、景気が良くない状況が続き、益々得意先からの不当と思われる要請が増えてくることが予想されます。
要請を嘆くだけでなく、本来ビジネスでもっと魅力を高め、不当な要請を断ることができるパワーをアップすることを考えるべきだと思います。
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