仕事一筋で何が悪い
ICOの森垣英和です。
先日、山本某という歌手、タレントの講演がラジオで放送されていた。
その内容の一部で、定年退職した自分の親父さんのことを話していました。
定年前は仕事一筋、家族をかえりみず、家庭サービスもない。
そして、定年を迎え退職、時間を持て余し家で「ヌレ落葉化」。
奥さんの参加している俳句のサークルや、スポーツサークルに誘われて出るが、やることなすことがトンチンカンで周囲の雰囲気を壊してしまう。
段々相手にされなくなる。
仕事一筋で退職後はヌレ落葉、自分の反面教師です、というようなことを面白おかしく話していました。
深夜のラジオ放送であり、ウツラウツラで聞いていたので、親父さんの職業など細かいことは忘れましたが要旨はそういうことでした。
勿論、自分の親父ということで、気楽さもあったかもわかりませんが、一生懸命、仕事一筋で働いてきた父親を講演のネタで笑いものや批判していることに「怒り」を感じました。
山本某自体は団塊の世代で、父親はおそらく大正か昭和一桁生まれではないかと思います。
大正や昭和の一桁生まれの人々は、戦後の日本復興のため、寝るまもなく自分たちの職務にまじめに取り組んできたはずです。
それが、日本のため、本人、家族のためにもなると信じて懸命に働いてきたのではないでしょうか。
仕事を優先して家族に対してのサービスが少なかったかもわからない。
家庭ではワンマンで我儘であったかもしれません。
生き方が器用でなかった、仕事や仕事以外の人間関係はうまくなかったかもわかりません。
しかし、 退職後、趣味がない、共通の話題がない、自分が理解できないものを受け入れない、奥さんに頼り自分では何もできない、自己の過去の経歴にこだわる等々批判してどうなるのでしょうか?
勿論、本人も自分の人生観をもう一度考え直す、今までの反省をするなど定年後の生き方を見直すことも必要でしょう。
しかし、仕事一筋であったことを批判したり、笑いものにしてはいけないのではないかと思いますがいかがでしょうか?
〈何のためにあなたたちは生きているのですか。国のためですか、家のためですか、親のためですか、夫のためですか、子のためですか、自己のためですか。愛するもののためですか、愛するものをもっておいでですか。〉 武者小路実篤
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