不要な有価証券は売却しなさい
古山喜章です。
貸借対照表を見せていただくと、「投資有価証券」という項目をよくみかけます。
しかしそのほとんどが、
「どこそこの取引先に頼まれた」とか、
「銀行(証券会社)の方におすすめされて」とか、
「これから間違いなく上がると思っていたので」
といった理由で購入していることがほとんどです。
しかも、負債部分には、その金額相応かそれ以上の借入金があったりします。
昨年ある企業の貸借対照表で、「ランド債権」という項目をみかけました。
約5500万円です。
「ランド債権ってなんですか?」
「南アフリカ通貨の債権ですよ。来年はサッカーのワールドカップもあるし、これから上がると言われて買いました。」
「それって本業に必要なんですか?」
「いや、必要ということはないんですが・・・・」
負債には不要な借入金もあります。
「今、上がっているんですか?」
「いや、下がっています。」
「いつ売るんですか?」
「上がってきたら・・・」
「いつ上がりそうなんですか?」
「いや、ちょっと当分はなさそうなんです」
結局、すぐに売却し、1600万円の売却損を出しました。
しかし、その期の決算では経常利益が約2000万円でした。
売却の結果、税引前利益は約400万円となり、大きな節税効果となりました。
オフバランスができて自己資本比率は高まり、キャッシュも増えました。
で、
「いやぁ、あのときに売却しておいてよかったです。」
とおっしゃられています。
不要な有価証券や資産を売却し、総資産を縮めて(オフバランスをして)財務体質を強くする。
本業に関係ないものに多額の資金をつぎ込むより、ずっと大きな経営効果があります。
そのような有価証券は、ございませんか?
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