銀行の正体
みなさん、こんにちは。ICOグループの内藤秀治です。
このたび日本銀行が、政策金利を0.0~0.1%に引き下げるというゼロ金利政策を発表しました。
政策金利が下がるということは、当然、預貯金金利も借入金利も下がるということですね。
先日このブログの中で、銀行との金利引き下げの交渉のお話しをしましたが、読者の方から「もう少し詳しく話が聞きたい」という要望をお聞きしましたので、これから何回かに分けて銀行との交渉のポイントをお話ししていきます。
銀行と交渉をするには、まずは交渉相手である銀行のことを理解しなければなりません。銀行とはどういうところかを考えていきましょう。
1.銀行は営利組織である
銀行の特徴の第一は、われわれと同じ営利組織であることです。利益を稼ぐために活動しているのであって、奉仕活動をしているわけではありません。
当たり前なことですが、意外と勘違いしている方もいらっしゃるようです。
銀行はお金を貸して、その金利を収益源として経営をおこなっています。
したがって、安全な顧客にできるだけ多くのお金を、できるだけ長い間、できるだけ高い金利で貸し付けることが仕事なのです。あくまでも安全な顧客にです。
間違っても返済できそうにない会社にはお金を貸しません。営利組織にとって貸し倒れほど怖いものはありません。
先日、私のところに相談にこられた中小企業の社長が「銀行がお金を貸していくれない」とこぼしていました。まるで銀行が悪いように言っていましたが、それは銀行が悪いのではなく、銀行が貸したくない会社にした社長が悪いのです。
ただし、交渉の余地はありますが・・・。
2.銀行は規制業種である
第二の特徴は規制業種であることです。銀行は銀行法(信用金庫は信用金庫法)という法律に則って運営されています。そして、金融庁の指導のもとで営業をしています。したがって、前例や横並びを好みます。自分だけ突出するのを嫌います。
先日もある会社の社長と銀行に金利交渉に行きましたが、「○○銀行と比べて・・・・」とか「他行のバランスを考えると・・・・」とか、自分以外のことを話の中に織り込んできます。
「他行のことは関係ないでしょう」というと支店長は苦笑いを浮かべていました。
また、ある銀行では「他行がこう言っているよ」というと、「ではそれに合わせましょう」と言ってきました。
規制業種で横並びというのが銀行なのです。
3.銀行にもいろいろある
三つ目の特徴は、銀行にもいろいろあるということです。メガバンクと呼ばれる超大手銀行から地方銀行まで様々です。地方銀行の中にはかつて相互銀行と呼ばれていた銀行(いわゆる第二地銀)も入っており、体質は様々です。
また、正式には銀行ではありませんが、信用金庫、信用組合、政府系金融機関などの金融機関も広い意味では”銀行”といっても差支えないでしょう。現場では金融機関を総称して”銀行”という言葉を使います・・・。
そして、それぞれの立場でターゲット顧客を設定し、ターゲット顧客に合うサービスを提供しているのです。ターゲットに合う顧客に対してはいろんな提案をしていきますが、ターゲットでない会社には何の提案もしていきません。
中小企業には中小企業向けの銀行と取引をすべきなのです。
これら銀行の特徴を頭にいれて、対等の交渉を行いましょう。
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