日曜ビジネス映画劇場 その1
古山喜章です。
閑話休題。
日曜日は、映画にまつわる経営のヒントについて、書かせていただきます。
「武士の家計簿」(2010年12月公開)
お城勤めで、一日中ソロバンをはじきながら出納帳を記載・チェックしていく、いわゆる算用者と呼ばれた下級武士が主人公です。
今でいえば、経理課の公務員、ですね。
両親に家計をまかせていたものの、実態を見れば家計は火の車、お家存続は風前のともしびであることが、発覚します。
年収の2倍の借金があると知り、その借金を返済するため、
息子が主導権を取り、一家全員、お家再生に奮闘します。
その過程で、家計簿をつけ始めます。
収入がどれだけあり、何にいくら使ったか、今でいうと“視える化”ですね。
その家計簿を睨みながら、資金繰りを算段していきます。
膨らみすぎた借金返済のため、真っ先に行ったことは、
1)家にあるものでお金に換えれるものはすべて現金化し、借金返済にあてる
2)その返済と同時に、貸し主に、返済条件の変更を申し入れる
「借りたものは返さねばなりませぬ。
我々がその覚悟を決意し、その覚悟を周囲に示す必要があります。」
と主人公は両親をきっぱりと説得します。
借入金を返す、という概念の薄い経営者に聞いてほしいセリフですね。
とはいえ、家財を売り払うとなると、もめごとも頻発します。
母上「この友禅染めの着物だけはよかろう??」
息子「母上、一度も着たことがないではないか」
母上「着る、着る、いつか着る!!」
とまあ、こんな具合ですね。
借りたものを返すことのエネルギーが、
借りるエネルギーよりもいかに膨大なものか、
思い知らされる作品です。
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