成功する商品開発、失敗する商品開発 その3
ICOの森垣英和。
むかし、工具用品のメーカーのコンサルを経験したことがありました。
工具といってもハンマー類、
その関連品のくぎ抜きなどが主力で、
当時、中国からの安い輸入品が入ってきて、
ホームセンターなどの消費者向けだけでなく、
プロが使用する業務用でもマーケットを侵食され売上は低下する一方。
商品が売れるのはBCDと昔からよく言われていますが、
同じ価格ならより品質の良いもの、機能が優れているもの(Better)、
同じレベルの品質、機能ならより安いもの(Cheaper),
ほかにない特徴、違いのあるもの(Difference)。
工具用品メーカーに対して中国商品にない特徴、違いのある新製品を開発しようと提案しましたが「先生、ハンマーという道具は石器時代からあるもので、現在の製品はほぼ完成品に近いものになっています。改善や改良の余地はありません」・・・・・成る程、確かにそういう面があるが、「ハンマーに色をつけたらどうですか?赤は○○用、青は××用、主婦用、児童用。ヘッドに鉄でなく他の固い素材はどうですか?」
2010年新商品売れ筋ランキング(日経MJ1月31日付)で首都圏、近畿圏10年1月1日~12月31日の新発売商品のランキング(来店客千人当販売額、販売個数)の上位品目をチェックすると
(容器の改良)
・ アクエリアス500(日本コカコーラ)
容器を持ちやすく改良
・ペプシネックス500(サントリー食品)
容器を2割軽く、潰しやすく
(低カロリー化)
・バーモントカレー(ハウス食品)
油の使用料を少なくした
・メグミルク(日本ミルクコミュニティ)
鉄分のほかビタミンの一種の葉酸を加える
(アルコールフリー)
・オールフリー(サントリー酒類)
アルコール分を抜き飲酒運転対応
・ダブルゼロ(アサヒビール)
上に同じ、女性の顧客も増える
(好きな香りを楽しむ)
・アクロンフローラルブーケ香り(ライオン)
香りの成分を2倍
(消臭効果を強化)
・トップナノックス(ライオン)
部屋干しでも臭いがのこらない
など多くの商品は既存品の改良や付加価値をつける改良開発です。
オズボーンのチェックリスト
①他に使い道はないか?
②応用できないか?
③修正したら?色、匂い
④拡大したら?長く、強く
⑤縮小したら?濃縮、軽く、分割
⑥代用したら?他の素材、他の場所
⑦アレンジしたら?順序を変える、デザイン
⑧逆にしたら?上下、表裏
⑨組み合わせたら?ブレンド化、合体
が、まだ商品開発に活かすことができるのではないでしょうか?
そのほか、
ネーミングを変える(フライパンダ)、
限定する(地域、季節、販売先)、
イベントに引っ掛ける(奈良博、ワールドカップ)、
キャラクターを入れるなどの方法もあります。
あまり難しく考えないでアイデアをより多く出す、常に問題意識を持つ、発想を転換させるなども必要です。
商品開発のネタはまだ多くあると思いますが?
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