借入増大、売上激減 の恐さ
古山喜章です。
先日ある飲食店で、若く感じのよい男性スタッフがいたので、
「どこの学校の出身?」と尋ねたところ、
「中之島の辻学園です!」と元気よく言ってくれました。
かつて、アイシーオーの事務所のすぐ近くにあった専門学校です。
“かつて”と書いたのは、
平成18年に校舎を近隣に新築し、移転したからです。
その元気なスタッフに出会った2日後の新聞で、
「中之島辻学園、民事再生申請」の記事を見ました。
その記事を見ると、
新校舎のための、新たな借入は20億円。
その返済に行き詰まったらしい。
平成17年に生徒数1000人前後だったのが、
直近では400人程度に減っていたそうです。
一人分の学費が、平均250万円くらいでしょう。
ならば、おおむね25億円の売上が、
ざっと10億円に減った、ということですね。
6割減です。
で、借入は20億円増えています。
これでは、いくら税金のいらない学校法人でも、
返済に窮します。
少子化によって生徒数が激減したため、
と書かれていましたが、それは違います。
学校法人は他にもたくさんあります。
それに、この5年で18歳の人口が6割も減ってはいません。
“新たな学生に選ばれなくなった”
ということです。
新たなお客さんたちは、
建物がきれいで立派だからこの学校にしよう、
という選び方をしていないわけです。
これは、学校だけでなく、病院なども気を付けなければいけないことです。
中身の機能・サービスなどの要素のほうが、
大きいわけです。
結局、東京の専門学校法人がスポンサーとなり、
再建してゆくようです。
借入増大、売上激減の恐さを、
また改めて実感した次第です。
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古山さん
大変ご無沙汰しております、平塚の田村です。
中之島辻学園の倒産、衝撃を受けました。
当グループが学校法人も運営しているからではなく、装置産業とサービス業がミックスした当グループにも、古山さんが指摘する「中身の機能・サービスなどの要素のほうが、
大きいわけです。」が大きな課題なのです。
いくら立派な施設を保有したとしても、何時かは朽ち果てる。でも、サービスは向上する。その辺が全職員に周知されていないように感じます。
施設には減価償却はありますが、サービスの質に減価償却は無いんですよね。
投稿: チャーシュー | 2011年5月 3日 (火) 09時09分
田村さん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
メルアドに返信コメントを送らせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: ナルト | 2011年5月 3日 (火) 22時37分