経営者を惑わせる、銀行のささやき①
古山喜章です。
さまざまな企業の決算書を見ていて、
「なんでこんなことになってるんですか?」
と聞きたくなることがあります。
聞いてみると、
その背景には、銀行の甘いささやきに
社長が惑わされてしまった、
というパターンがよくあるのです。
なかでもよく聞かされるのが、
「手元の現預金はそのまま置いておくほうがいいですよ」
という銀行のささやきです。
「そう言われて、つい・・・、借りてしまいました。」
とは社長の言葉。
で、現預金がふんだんにあるのに、
設備投資に際して新たな借入れをしてしまっているのです。
総資産は膨らみ、
自己資本比率は下がり、
借入金利が発生する。
経営にとって、マイナス要素ばかりです。
びっくりするのは、
社長が先に、銀行にこう尋ねていることがあるのです。
「自己資金でまかなった方がいいですかねぇ。
それとも借りたほうがいいでしょうか?」
銀行は貸すことが商売なのです。
目の前にいるのは、貸してナンボの営業マンなのです。
間違っても、
「自己資金でまかなって、新たな借入はしないほうがいいですよ」
などとは、絶~対に言いません!!
尋ねたい気持ちはわかりますが、
尋ねる相手が違うのです。
銀行にしてみれば、
「借りる」「借りない」の判断がつかない経営者は、
営業成績を伸ばしてくれそうな、
格好のささやきターゲットなのです。
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