倒産の動向
ICOの森垣英和です。
倒産(件数)の動向に注目しています。
近畿2府4県の4月の倒産件数は297件と前年比△11%で4ヶ月連続の減少だそうです。
昨年度(10年4月~11年3月)の全国の企業倒産は件数、負債額ともに減少しました(東京商工リサーチ調べ)。
件数では13065件(前年比△11.3%)、
負債総額は4兆7246億円(前年比△33.7%)。
件数では2年連続の減少で11年3月まで20ヶ月前年同月マイナスです。
負債総額は20年ぶりの5兆円割れだそうです。
リーマンショック以降の景気持ち直しや、
緊急保証制度、金融円滑化法などでの政府支援が功を奏しているものと思われます。
業種別では、
農林・漁・鉱業を除く全ての業種で件数が減り(製造業△14.7%、金融・保険△14.4%、運輸業△13.9%、建設業△11.7%など)、地域別では、6年ぶりに全地域で減少(中国△25.6%、九州△20.1%、東北△19.3%、東北△16.2%など)とのこと。
東京商工リサーチの倒産企業の財務データーを見ると、
①倒産企業の業績では55.9%が赤字企業(45%が単年では赤字ではありません)
②債務超過企業(自己資本マイナス)が38.5%と約4割を占めています
③有利子負債は総資産の76.5%と他人資本依存が高い
④リストラでの人件費の合理化で0.5%の削減。倒産していない企業ではその間、2.2%の削減を行っています
⑤貸し倒れ損失が前年に比べ2.7倍発生。得意先などからの回収不能での関連倒産が増えた
などが年度の特長だそうです。
その他、10年度の倒産は
①原因別では販売不振型が過去最高の82.9%を占める
②従業員5人未満の小零細企業の倒産が平成では最高の66.3%
③負債総額10億円以上の大型倒産が551件と20年ぶりの低水準
④上場企業の倒産は前年に比べ3件増の10件
東日本大震災の影響もあり、近畿地域では当面の資金手当てのために信用保証協会への緊急保証制度の利用が3月で前年比37%も増え、9月まで延長された同制度の利用が今後も増加するものと予想されます。
5月以降、震災の影響、景気の落ち込み、販売不振、業績回復遅れなどによる倒産がかなり増えるのではないか懸念しております。
まず、生き残りのためのキャシュシュインとキャッシュアウトのバランスをとるための手を打つことが喫緊の課題と思います。
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