上司が現場を知らないと、ムダのもと①
古山喜章です。
経営指導のなかで現場実務を見たときに、
やらなくてもよい、ムダな作業を目にすることがあります。
その場合、
上司がその現場実務をくわしく知らない、
上司はその現場実務をやったことがない、
という場合が多いです。
先日もある経理社員が、
経理システムのボタンひとつで作成できる帳票を、
別途にエクセルで作成していることがありました。
「この資料って、システムのこのボタンでできるよ」
とその社員に言ったところ、
「そうですね、同じですね。
でも、ちょっとレイアウトが違って見ずらいんです。」
「あ、そう、で、誰が見るの?」
「えっ、私だけです。確認のために見ます。」
「どれくらいの頻度で見るの」
「まぁ、なにかあったときに・・・」
といった感じなのです。
必要のない作業や仕事を、なんだかんだと理由をつけて、
実務担当者が作ってしまっているケースの代表例です。
作らなくてもよい帳票を、作っていたわけです。
しかも担当者は、そのことをうすうすわかっているのです。
ところが上司は、ボタンひとつでできるとはわからないし、
ひどい場合は、なんのための資料かもわからない。
レイアウトがきれいな資料をみて、
「おぉ~、よくやってくれているなぁ」
と、勘違いしてしまっているのです。
上司が現場を知らないと、ムダのもとです。
初めてその現場担当者に接した私がわかることを、
毎日接していても、わからないのですから。
自分でやったことがなくても、
1)どのシステムや機械・設備で何ができるのか、
2)どの資料が何のために必要なのか、
程度のことは、担当者に教えてもらって、
現場を知る努力をするべきです。
そして、疑問や問題点、課題を見出すべきです。
部下も、上司が実務を理解していないことをわかっています。
実務を知らない上司を言いくるめるのは、
部下にとってはたやすいことです。
上司が実務を理解していれば、
担当者もムダな作業を作ろうとはしません。
それだけで、チェック機能が働くわけです。
現場を知らない上司は、いませんか?
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