欲求段階説
みなさん、こんにちは。ICOグループの内藤です。
本日は複数の中小企業経営者の方とお会いしましたが、経営者の方と話をしていると、つくづく「業績は経営者の心がつくる」ものだなあと実感します。
業績の悪い経営者と話をすると必ず「きつい」「しんどい」「しかしながら」・・・などのマイナス発想、否定的な言葉が多く出てきます。
日頃から心の中で思っていることが、ふと言葉になって出てくるんですね。
当然、考えも行動もマイナスの方向に動くため、ことごとく結果が裏目に出て、業績も悪くなっていくようです。
一方、業績の良い経営者は、「そのためには」「なぜ?」「どうすれば」「すぐに」・・・という肯定的な言葉が中心です。
行動も積極的になり、明るく元気であるため、ヒトやアイデアが寄ってきて、業績も向上する・・・そういう循環のようです。
企業の業績向上のためには、経営者の「心の成長」が必要です。
「心の成長」とは、自分の感情をコントロールできるようになっていくことです。
感情的にならずに、客観的に自分自身と周りを見ることができ、冷静に物事を考えられるようになることです。
同じ会社のメンバー、得意先、仕入先、金融機関、家族など、あらゆる人と冷静に対処できるようになることが、心を成長させることなのです。
私も、心と企業経営の関係性に興味を持ち、数年前から心理学を勉強しています。
そして、その心理学のなかでも最も参考になった理論は、アブラハム・マズローの「欲求段階説」といわれるものです。
企業などでは社員研修などで題材にだされ、「なぜ、あなたは仕事をするのですか?」という問いかけをすることが多いようです。
私も社員研修などで受講生によく問いかけます。
人間の欲求は、5段階になっており、1段階目の欲求が満たされると2段階目の欲求を志し、さらにその欲求が満たされると3段階目の欲求、さらに4段階目、5段階目の欲求を志すというものです。
1段階目の欲求を「生理的欲求」、2段階目の欲求を「安全の欲求」、以下「社会的欲求」、「自我の欲求」、「自己実現の欲求」へと続きます。
そして、いったん高い欲求段階に行っても、何らかの原因で下位の欲求が満たされなくなったときは、下位の欲求によって人は動かされるのです。
私は、この5段階は企業の発展段階でも同じことがいえると思います。
1.生理的欲求 : 企業はまずは稼ぐことからスタートし、とにかく価値を生み出し、利益をださなければ生きていくことができない
2.安全の欲求 : 何とか利益がでるようになると、自己資本を積み、すぐにつぶれない会社にする
3.社会的欲求 : 社会の中の位置づけを意識し、周りのひとに支持される会社にする
4.自我の欲求 : 業界での高い地位や高いブランドを確立するなど、自社の高いポジションを維持する
5.自己実現の欲求:企業の理念を追求し、自分たちが本当に求めている仕事をする
利益もでないのに、安全は追求できません。ましてや、自己実現など図れるはずもありません。
夢ばかり追いかけて、足元がぐらついている経営者は、結果的にマイナス思考になっているようです。
あなたの会社はどの段階ですか?
経営者が自分の心を成長させることで、自社の位置づけを客観的にとらえ、今なすべきことをしっかりとおこなうことができるのです。
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