B/S面積グラフを作ってみよう③
古山喜章です。
貸借対照表を見やすくわかりやすくする、
井上式B/S面積グラフ。
作成時によく聞く、わかりずらい部分をピックアップします。
簿外債務をどうすればよいかわからない
~簿外に割引手形残高が記載されている場合~
簿外、つまり、貸借対照表の枠の外に、
注意書きがされている場合があります。
多くの場合、“割引手形残高○○○○円”のような記載です。
これは、受取手形を銀行で割り引いて現金化し、
その手形がまだ落ちていない場合に記載されます。
そもそも、手形を割り引く、
とは、手元の受取手形を差し出して、
銀行から現金を借りるのと同じです。
割引料は、金利と同じなのです。
そして、もしその受取手形が落ちなかった場合は、
その金額を自社が負担しなければなりません。
なので、
受取手形はいったん銀行に差し出していますから、
自社の帳簿からは外れます。
しかし、
万一の場合に債務を抱えることがあるので、
その金額を、貸借対照表の枠の外に記載しているのです。
この記載がある場合、井上式BS面積グラフでは、
総資産にその金額も含めて計算します。
上記のとおり、その金額分、
借入金があるのと同じだからです。
流動資産の空白部分に、
“売上債権”として数字を記載してください。
そして、
固定負債の空白部分に、
“割引手形”として数字を記載してください。
割引手形残高が簿外にある場合、
面積グラフの大きさは、
貸借対照表の総資産金額よりも、
大きくなります。
そうなると、
自己資本比率など、さまざまな経営指標も、
悪化させる要因となるものなのです。
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