経営者を惑わせる、銀行のささやき②
古山喜章です。
企業への融資のために、
銀行はあの手この手で経営者に
ささやいてきます。
この言葉もよく聞きます。
「少しの間だけでいいですから」
銀行の決算期、3月下旬頃にこの言葉が
あちらこちらでささやかれます。
要は、銀行自身の決算期の数値をよくしたい。
貸し出している金額を少しでも大きくしたい、
いわば、貸借対照表をより健全なものにしたい、
ということです。
で、借りてしまう。
驚くのは、
こちらも3月末決算なのに、銀行のささやきに
負けて借りてしまう、というパターンです。
銀行が貸したいのは、財務でいえば、
余分な贅肉の部分です。
その贅肉を預かり、一時的とはいうものの、
それが自社の決算書に反映されます。
他の銀行との交渉時等には、その決算書を
見て判断されます。
一時的とはいうものの、
自社の借入金は膨れ上がり、
自己資本比率は下がります。
当然、格付け評価の下がる要因となります。
で、これはかくかくしかじかの理由で、
と社長が説明すると、
その銀行も、3月下旬になると、
冒頭のセリフをささやいてくるのです。
この会社はお願いすれば聞いてもらえそうだ、
と判断されるわけです。
例えこちらが3月末決算でなくても、
金利は発生しますし、プラスのことは何もありません。
さらにたちの悪いささやきは、
「このまま持っておかれたらどうですか?」
というものです。
で結局、必要もないのに借入金が増えてしまうのです。
"不要な借入れは絶対にしない"、
「それがわが社の考え方です」
と、社長は自信を持って対応するべきなのです。
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