売上より利益、利益よりキャッシュ
みなさん、こんにちは。ICOグループの内藤です。
世の中の多くの社長は売上のことで頭がいっぱいのようですね。
先日もある社長と話をしていると、「売上を増やさないといけないんです」とおっしゃる。
「なぜですか?」と質問すると、
「資金繰りが苦しい」「銀行から売上を増やすようにいわれている」という答えが返っていきました。
会社の中のあらゆる課題の中で、売上の拡大にしか考えが及ばなくなっているかのようです。
売上を拡大すれば収入が増え、資金繰りが楽になるように思われがちですが、実際には必ずしもその通りにいきません。
売上を増やすと仕入が増え、在庫が増えるのが一般的です。
在庫が増えればその分キャッシュが必要になってきます。
さらに、安売りでもしようものなら粗利率が低下し、かえって資金繰りが苦しくなるのです。
資金繰りが苦しくなれば、また銀行に頭を下げて・・・・、さらに返済のために売上に頭を悩ますという悪循環に陥ります。
資金繰りが苦しい時こそ売上至上主義からの脱却を図りましょう。
売上よりも利益を増やすにはどうすればいいのか、それよりもキャッシュを増やすにはどうすればいいのかを考えましょう。
・利益を増やすには費用を削減することです。
・キャッシュを増やすには眠っている資金を現金化すればよいのです。
まずは、費用項目のチェックです。
製造原価の中身をチェックしてみましょう。
原材料費、労務費、外注費、経費・・・・・・。必ずムダが潜んでいます。
購買や外注の価格は適正ですか?
材料をムダにしていませんか?
不良が発生していませんか?
ヒトの配置は適正ですか?
機械がすべき仕事を人がしていませんか?
販売費・一般管理費も同じです。
コンピュータに任せればいい仕事を人がしている場合があります。しかも、高給の人が・・・。
効果のない広告や販促ツール、今までの慣例で購読している業界紙などなど・・・・。
営業外費用も当たり前のように支払っていますが、本当にそんなに必要なのでしょうか?
銀行と金利交渉をしましたか?
そもそも借入金が本当に必要なのですか?
さらに、眠っている資金の現金化を考えましょう。
売上債権を減らすことはできませんか?
早く回収するように交渉しましょう。手形から現金取引してもらうように交渉しましょう。
回収不能な売上債権は法的に処理し、損を出しましょう。
在庫を減らしましょう。デッドストックは処理しましょう。
貸付金、未収入金は一刻も早く回収しましょう。
遊休資産、不要な固定資産は今すぐに売却しましょう。売れなければ除却しましょう。
持ち合い株式など買い取ってもらいましょう。
売却損や除却損は特別損失に計上しましょう。節税効果がありますので、躊躇なく処分するのです。
そして、プラスになったキャッシュで借入金の返済を急ぐのです。
自動車業界をはじめ、震災で打撃を受けた企業が”需要回復”とばかりに売上の拡大を図っているようですが、”キャッシュ”、資金繰りに注意をして経営計画を立ててください。
くれぐれもここぞとばかりに安売りをして自分の首をしめることのないようにしてください。
大切なのは、「売上より利益、利益よりキャッシュ」なのです。
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