B/S面積グラフから考えてみよう①
古山喜章です。
井上式B/S面積グラフを作成すると、
自社の財務状況が、わかりやすくなります。
しかし・・・、
そのグラフを、どう見ればよいのかわからない。
何が良くて、何が悪いのか、がわからない。
という声もよく伺います。
面積グラフを作成したときに、
よくある症状をもとに、
その対応策をお伝えしてゆきたいと思います。
その1.現預金肥大症
これは、単に現預金が多い、というだけでなく、
その一方で、
右側には、借入金があぐらをかいている、
という状態ですね。
おわかりになりますでしょうか?
右側の「短期借入金」「長期借入金」を、
十分に返済できる現預金がありながら、
返済せず、借入金として放置してあるわけです。
“銀行に頼まれて”
“税理士に、現預金は余裕を持っていたほうがよいと言われて”
などなど。
現預金肥大症の対策・処方箋はひとつ
“すぐに返済しなさい!”
ということです。
この状態から借入金を全額返済すれば、
①金利分のキャッシュアウトが不要です。
②実質金利が下がります。
③総資産が減り、
自己資本比率が上がります。
総資本経常利益率(ROA)が上がります。
総資本回転率が上がります。
など。
まさしく、オフバランスの強みを、
存分に発揮できるわけです。
全額返済は、当然ながら、銀行はいやがります。
なので、借りる時よりも、
はるかに多くのエネルギーを必要とします。
しかし、面積グラフをもとに、
現預金肥大症を克服された企業はみな、
財務体質健全化のために、
そのエネルギーを惜しまずに注いでこられました。
立派だと思います。
だから強い財務体質になれるのです。
全額がムリなら、半分、3分の1、でも構いません。
借入金を減らす、ということ自体、
オフバランスという、
大きな効果があるわけですから。
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このごろ、つくづく井上先生から教えていただきました面積グラフを活用することの大切さを実感しています。
当法人は政府系金融機関と一般金融機関からの借り入れが6億強あります。
政府系金融機関からの借り入れは、補助等の関係で早期返済はしておりませんが、一般金融機関からの借り入れについては、早期返済に心掛けています。
また、借換時の交渉で金利を抑制し、今年度も支払金利だけで300万円くらいの経費削減が可能です。
その結果、営業利益、経常利益にはっきりと数値として出てきます。
余分に資金を保有してるのなら、早期に返して身ぎれいになる。
運転資金で、一時的に資金が必要であれば当座貸越を活用する。
そのことにより、実質金利の低減が実現できています。
投稿: 田村 透 | 2011年7月25日 (月) 13時48分