「自分らしさ」を大切に
みなさん、こんにちは。ICOグループの内藤です。
先日、ご縁があって、チェーン展開をしている小売業の経営相談に応じました。
その会社では商品戦略が功を奏し、3~4年前まで順調に店舗数、売上高、利益が伸びてきたものの、ここ数年は新規出店すれば赤字続き、既存店も前年割れが続いているとのことでした。
最近では資金繰りも厳しく、今後の打つべき手を教えてほしいというものでした。
創業から現在までの経緯、良かった時の経営のやり方、最近の動向などをお聞きした結果、「自分らしさ」とのブレに業績悪化の原因があることを突き止めました。
以前は、商品戦略を軸に店舗の立地選定、内装の設計、商品構成など、自分の目で見て、自分の頭で考えて、妥協することなく追いかけていったそうです。
ショップ・コンセプトを明確にし、それに沿ったサービス、プロモーションをおこない、納得のいく店舗運営をすすめてきたのです。
その結果、だんだんと固定客が増え、出店を重ね、20店舗ほどまで拡大しました。
利益も順調に出て、地域でも少し有名になりました。
すると、デベロッパーや不動産業者から出店依頼が来るようになりました。
「あそこにいい物件がありますよ・・・」「あそこに新しいショッピングモールができますよ・・・・」「あそこが空くので何とか入ってもらえませんか・・・」
最初は自社のコンセプトと会わない立地には出店しなかったのですが、そのうち「少し違うなぁ」と考えながらも出店するようになったそうです。
デベロッパーや不動産業者との長年の付き合いで妥協したのでしょう。
やはり、「少し違う」店舗ではそれなりの結果しかでてきません。そのため、目先の売上を稼ぐために本来のコンセプトを捻じ曲げて運営するようになったそうです。
方針がブレてしまったのです。
その結果、今まで順調に運営してきた既存店まで影響し、お店の運営がおかしくなったのです。
こうなれば、悪循環のスパイラルに陥ります。
コンセプトのズレ ⇒ 顧客離れ ⇒ 業績悪化 ⇒ 目先対応 ⇒ コンセプトのズレ・・・・・・・
こうなったら、原点に返って、「自分らしさ」を取り戻すべきです。
もちろん、不採算店は早急に閉めるべきです。
大胆に、そして、素早く。
一旦、身軽になって、もう一度「自分らしさ」を追求しましょう。
「自分らしさ」とは何か?を明確にしましょう。
そして、「自分らしさ」を貫きましょう。
それが業績向上の方法なのです。
そう申し上げると、納得されたようでした・・・・。
これからの経営改革が楽しみです。
.
« B/S面積グラフを作ってみよう⑥ | トップページ | システムにまかせておけ! »
「経営」カテゴリの記事
- 謹賀新年(2021.01.01)
- あけましておめでとうございます(2021.01.04)
- 「純現金収支」 って何のこと?(2020.12.21)
- 脱・資本金主義⑤(2020.10.23)
- 脱・資本金主義④(2020.10.22)
コメント