頑張れ!なでしこ日本、INAC (その3 球団の経営)
ICOの森垣英和です。
INACは(株)アイナック・コーポレーションによって運営、マネジメントされています。
INACは創立10周年を迎えて2011年のスローガンは、<「kobeから世界へ!」世界で通じる女子サッカークラブへの変革>で、まさに、なでしこ日本世界一でこのスローガンは実現しました。
株式会社ですから、普通の会社と同じように年度経営計画を作ります。
経営計画には、
①収入の増加策、収益の確保の計画
②リーグ優勝目標、そのためのチーム強化策
③ホームタウン活動の充実策
④育成組織の強化をどうするか
⑤部門の充実策、組織、システムの改変
などが盛り込まれます。
経営方針、計数計画も部門ごとに作り、
トップレビューで確認し決定します。
計数計画で収入は
1)広告料(スポンサー収入)
2)支援組織のサポート収入
3)入場料(有料試合のチケット販売収入)
4)グッズ売上収入
5)サッカースクール会員、運営収入
6)ファンクラブ収入
7)全日本女子サッカー補助金
などが主たるもので、
額は男子Jリーグ球団に比べれば桁が違います。
今後は、TVの有料放送がされるようになれば放送権の分配料、選手の移籍が有償で行われるようになればその収入も出てくるかも判りません。
管理会計による部門別損益管理や、
キャッシュフロー管理がなされ、
毎月次予実チェックが経営会議で行われます。
傘下のクラブチームの会費収入の未収をいかに完全に回収するかなど、毎月次厳しい管理が行われます。
スポーツ組織の収益管理の特長は
①コストに占める人件費比率が高い
②収入と支出の時間差がかなりある(その間の、キャッシュ管理が重要)
③固定的収入が少なく収入確保が不安定
など、必ずしも楽な経営ではありません
ちなみに、浦和レッズの公式サイトでの10年の計数を見てみると、総収入に占める入場料収入が40.2%、広告料収入40.1%、グッズ収入10.3%、Jリーグ分配金5.0%、その他収入は4.4%。総収入額は5,625百万円で前年比12.6%の減少。
経常利益は、▲259百万円、収入に占める人件費の比率は37.8%。07年をピークに収入額は減少し10年は2,339百万円も減っています。
06年J-1リーグ優勝、09年は6位で前年の成績が収入におおいに影響しているようです。
« 「税務署の秘密」 | トップページ | B/S面積グラフ 産業別の体型を知ろう! »
コメント