B/S面積グラフから考えてみよう④
古山喜章です。
流動比率 その2
経営指標のひとつに、「流動比率」があります。
その計算式は、
流動資産 ÷ 流動負債 ×100
で、○○%といった数値で求められます。
前回は、流動資産が流動負債よりも少ない、
"流動資産欠乏症"について、お話ししました。
今回は逆に、
流動資産が流動負債よりもはるかに多い、
"流動資産肥大症"について、です。
流動負債は、近々に支払わねばならない負債。
流動資産は、近々にお金に変わる資産。
ですから、流動資産が流動負債を上回ればよい。
でも、限度があるのも事実です。
次の面積グラフをご覧ください。
流動資産が流動負債の約2.5倍。
つまり、流動比率は250%です。
120%~200%までくらいなら、まあよしとして、
250%ともなると、何か問題を抱えています。
このグラフでも、売掛金が異常に大きい。
となると、このなかには、
焦げ付いた売掛金が滞留している可能性が高い。
つまり、
すぐにはお金にならない売掛金が含まれているわけです。
ならばその中身を調べ、
焦げ付いた売掛金があるのか、
あればその金額はいくらなのか、
なぜそうなったのか、
今後そうならないようにどうするのか、
を決めて、
売掛債権除却損を特別損失計上すればよいのです。
売掛金ではなく、在庫や未収金であったとしても、
大きな流れは同じです。
流動比率は大きければよい、
というものではないのです。
まずは健全なバランスかどうか、見極めてください。
もしバランスに異常があれば、原因を解明し、
不要な部分をそぎ落とせばよいのです。
流動比率のバランスが良くなるだけでなく、
総資産が圧縮され、回転率も良くなります。
ムダな資産を取り除くことは、良いことづくめなのです。
« スローガン倒れ経営の諫め | トップページ | 適材適所 »
「B/S面積グラフ」カテゴリの記事
- 減収増益になれば、どうなるのか?(2015.03.17)
- 増収増益になれば、どうなるのか?(2015.03.13)
- B/S面積グラフから考えてみよう (57)(2012.12.11)
- B/S面積グラフから考えてみよう (56)(2012.12.03)
- B/S面積グラフから考えてみよう (55)(2012.11.20)
コメント