取り巻く環境変化に対応せよ
古山喜章です。
CD・DVDの販売店「WAVE」が倒産しました。
1993年に設立され、2011年に倒産。
創業期間は、わずか18年です。
1993年と言えば、J-POP全盛の時代です。
当然、ネット販売も携帯ダウンロードもありません。
日本レコード協会(この名前も古い!)のデータを見ると、
日本国内のCD生産金額は、
1998年が約4900億円でピークを迎え、
ジワジワとさがりはじめて、
2010年は約2200億円です。
CD生産金額は半減以下に縮小していますが、
その間は12年あります。
しかも、
音楽そのものが減ってきたわけではありません。
この12年の間に、
消費者のライフスタイルに変化が起こり、
好きな音楽を自分のものにする方法が変わってきたのです。
店で買わずにインターネットで買う。
CDを買わずにデータを買う。
つまり、
音楽販売ビジネスを取り巻く環境が変化してきたのです。
この環境変化の波は確実に、
この12年間で大きくなってきていました。
「WAVE」という社名でありながら、
その波を察知できず、
飲み込まれてしまった、というわけです。
その結果が、今回の倒産なのです。
とはいうものの、
「WAVE」もネット通販には取り組んでいました。
が、アマゾンやi-tunesには全く及びませんでした。
物流を基本に据えたアマゾンの戦略、
ソフトとハードをシステムで繋げたアップルの戦略、
それらの戦略には遠く及ばなかったのです。
自社の本来の売りモノを見定め、
成功体験にとらわれることなく、
環境変化に素早く対応することの大切さを、
改めて実感いたします。
「タワーレコード」「HMV」にも、
「WAVE」と同じ匂いを感じるのがコワイですね。
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