危機感を持たせるなら、業績をわかりやすく開示しなさい
古山喜章です。
“危機感をもって仕事をしてください!”
という類の言葉を、
幹部が一般社員に伝えている姿をよく見かけます。
でも、
仕事への彼らの姿勢は簡単には変わらず、
“うちの社員は危機感がない・・・”
と、上司が嘆く姿も良くみる光景です。
しかし、
当の一般社員にしてみても、
なぜ危機感を持つ必要があるのか?
危機感なるものは、どう持てばよいのか?
と、????な人たちが多いのも事実です。
ある企業の若手一般社員が集まっている場で、
“うちの儲けはどれくらいだと思う?”
という質問をしたときのことです。
“儲け?経常利益?、????”
という表情なのです。
つまり、利益、という概念がそもそもないのです。
仕事は常にあるもの、
給料は年月とともに上がるもの、
だと思っているのです。
“じゃあ、1000円の売上に対して、何円くらい儲かる商売だと思う?”
と質問すると、
“う~ん、80円!”
“100円!!”
“200円!!!”
おいおい、セリじゃないんだから、
という状態になってきました。
実際その企業はメーカーで、
経常利益率が4%程度です。
なので、
1000円の売上で、儲けは40円です。
そのことを伝えると、
“えっ!そんなんで大丈夫なんですか??”
と、驚きの声と表情なのです。
いやいや、
だから危機感を持て!って言ってるじゃないか、
という始末です。
業績や数字を全く開示していない。
それで“危機感を持て!”と言っても、
彼らにはわからない。
だからといって、
“わからない”とは、彼らは言わない。
ここに、幹部と一般社員の間に、
意識の溝が生じます。
危機感を持たなきゃいけない状況を、
業績数字を開示して、
彼らの理解できるレベルに変換し、
具体的に示してあげなければ、
危機感なるものは理解されないのです。
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