最近の起業の動向 (その2)
ICOの森垣英和です。
60歳を超えるシニアの起業が起業数の26.9%を占めるというデーターを前回紹介しましたが、女性の起業数の比率は32.3%とシニアより高くなっています。
過去のデーターの推移をみても、
常に、全起業数の30%以上を占め4割を超える年度もありました。
近年、起業した女性経営者がよくビジネス媒体に出てきますが、そうした起業数の多さが背景にあるのかも判りません。
女性起業家の起業の動機を男性と比較すると、
上位はそう変わっていません。
(起業動機) 女性 男性
①仕事を通じて自己実現したい 54.6% 53.0%
②自らの裁量で自由に仕事をしたい50.0% 50.4%
③社会に貢献したい 50.0% 45.0%
④専門的な技術、知識を活かしたい42.0% 38.5%
⑤アイデアを事業化したい 27.0% 30.4%
(2010年12月中小企業庁委託「起業に関する実態調査」帝国データバンク調べ)
男女の比較で女性の方が5%以上高い動機は
①年齢に関係なく働きたい 5.9%
②社会に貢献したい 5.0%
逆に男性のほうの5%以上高いものは
①経営者として社会的評価を得たい9.0%
②より高い所得を得たい 6.3%
③以前の勤務先の将来の見通しが暗い 6.0%
と男性の方がより切実な起業の動機となっていると思われます。
女性の起業したビジネスの多いものを順番にあげますと、
1位に医療、福祉関係(28.2%)、
2位小売業(14.1%)、
3位飲食店(11.2%)、
4位不動産業(6.5%)、
5位一般消費者向けサービス(5.9%)
と医療、福祉が際立って多くなっています。
何故そのビジネスを選んだのかの理由として
①専門的な技術、知識を活かせる 60.9%
②社会に貢献できる分野 42.6%
③以前の勤務先と同じ業種 37.3%
④起業までの人脈が活かせる 34.9%
⑤以前から興味ある分野 27.8%
女性の起業の予備軍として、起業希望者が30万人~40万人あり、起業の準備中の人が15万人~20万人もいるということは女性は強い、パワフルになってきたなあと実感されます。
もっと男性も、志しを持って起業にチャレンジすべきではないでしょうか?
« 企業の生産性向上(2)~ヒトの生産性~ | トップページ | 人事制度の限界 ②職能等級をルール通りに使っているか? »
「経営」カテゴリの記事
- 損益分岐点売上高をどう見るか④(2024.10.18)
- 損益分岐点売上高をどう見るか➂(2024.10.17)
- 損益分岐点売上高をどう見るか②(2024.10.16)
- 損益分岐点売上高をどう見るか①(2024.10.15)
« 企業の生産性向上(2)~ヒトの生産性~ | トップページ | 人事制度の限界 ②職能等級をルール通りに使っているか? »
コメント