B/S面積グラフから考えてみよう⑦
古山喜章です。
ギヤリング比率 その1
名前だけでは、何を意味するのか、
まったくわからない比率ですね。
計算式はこうです。
有利子負債 ÷ 自己資本 ×100
で、○○%という数字になります。
有利子負債は、短期と長期の借入金や社債、
要は、利息の有る負債、ということです。
つまり、計算式の中身を書くと、
(短期借入金+長期借入金+社債)÷自己資本×100
となります。
計算式から言えば、
自己資本の金額に対して、
どれだけの借金を抱えているのか、ということですね。
知っておきたいのは、
この数字で何を見るのか、ということです。
ギヤリング比率は、財務の安定性を見る項目として、
銀行の格付け項目に位置づけされています。
しかも、その配点ウエイトは、自己資本比率と同じです。
で、どのくらいの数字が安定の分岐点なのかというと、
100%、です。
つまり、借金が自己資本の金額よりも大きいほど、
財務は不安定になる、ということです。
100%よりも小さくしておきたいのです。
次の図を見てください。
自己資本に対して、有利子負債は2倍、
つまり、ギヤリング比率が200%です。
これはかなり不安定です。
これではかなりの営業利益が出ないと、
金利がバカにならず、
返済原資を生み出せません。
特別損失を出そうにも、
債務超過になる危険もあるので限度があります。
こんな状況で、リーマンだ、円高だ、天災だ、
などと予期せぬ危機が来ると、
たちまちに資金繰りが苦しくなり、
倒産の危機に直面してしまうのです。
まずは自社の面積グラフを見てください。
もし、
ギヤリング比率が100%を超えているなら、
安定性は黄色信号なのですよ。
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