B/S面積グラフから考えてみよう⑧
古山喜章です。
ギヤリング比率 その2
有利子負債 ÷ 自己資本 ×100
で、○○%という数字になります。
有利子負債は、短期と長期の借入金や社債、
要は、利息の有る負債、です。
ギヤリング比率は、財務の安定性を見る項目で、
その目安は100%以下、なのです。
前回の記事の事例で、
ギヤリング比率200%の状態を示しました。
目安の100%に比べて、とても不安定な財務状況です。
で、ここから、
土地、投資等、その他、の一部を売却するとします。
売れた金額分は現預金が増え、
売却損が出た金額分は余剰金が減ったとします。
すると、こんな感じになりますね。
有利子負債は減らず、余剰金が減った分、
自己資本は小さくなりました。
その分、ギヤリング比率は一時的に悪化します。
そして、余剰金が減った分、総資産も減っています。
次に、増えた現預金で短期借入金を返済します。
すると、こうなります。
有利子負債は長期借入金だけになり、
ギヤリング比率は約200%です。
その比率の大きさは最初と同じですが、
分子も分母も小さくなっていますので、
資金繰りそのものは改善します。
長期分のみを返済すればよいのですから。
それに、売却損が出た分、法人税は削減できるので、
その分、キャッシュは残ります。
一時的に余剰金は減りますが、
収益性が維持できていれば、
税金でのキャッシュアウトがない分、
すぐにもとの大きさにもどってくるのです。
結局、ギヤリング比率が100%を超えている場合、
方法はいろいろありますが、
借入金を速やかに減らすことを考えなさい、
ということです。
それは、早ければ早いほど、
財務の安定性に効果をもたらします。
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