減価償却に見る、「アリとキリギリス」
古山喜章です。
築18年で同規模の建物を、続けさまに見る機会がありました。
どちらもサービス業として、その施設を使用しています。
仮にA社とB社、としましょう。
A社の施設は、壁紙の張り替え、空調の入れ替え、
外壁塗装のやり直し、などができており、
こざっぱりして明るい感じがします。
B社の施設は、もろもろの修繕が先延ばしになり、
なんとなくどんよりした雰囲気がします。
いわば、くたびれた感じなのです。
2施設とも同時期に新築され、
同じ程度の減価償却があり、その分、
キャッシュが残ってきたはずなのです。
A社はそのキャッシュをアリのようにコツコツ蓄え、
施設を磨くために、その都度使ってきた。
B社はそのキャッシュを、キリギリスのように、
施設を磨くこと以外の何か、に年々使ってきた。
その違いなのです。
じゃあ何に使ったんだ、ということです。
本業に無関係な投機などに使ったならまさしく言語道断、
自業自得、なのですが、そうでもない。
結局、年功序列的な人件費となってしまっていたのです。
その増えた人件費は、各人がまさにキリギリスのごとく、
消費して終わっているかもしれません。
当然、
B社には、施設を磨くキャッシュが残っていません。
今回のことに限らず、
同様のことを本当によくみかけます。
減価償却が発生すると、その分キャッシュは残ります。
しかし、そのキャッシュは何の為のものなのか。
それを理解せず、キリギリスのごとく使ってしまうと、
結局いつか必要な時に、
キャッシュ不足で頭を抱えることになるのです。
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