モノからコトへ
みなさん、こんにちわ。ICOグループの内藤です。
今年は本当に色々なことが起こりますね。
東日本大震災からの復興に向けて動き出したと思ったら、欧州でのソブリン危機やそれに伴う円高、新興国の成長鈍化に続いて、タイでの大洪水・・・。
「一難去ってまた一難」どころか「七難八苦」状態ですね。
ただし、ものは考えようです。苦難は人や企業にとってできれば避けたいものですが、一方で自分や自社を変革するのにはかえって機会でもあるのです。
戦国時代の尼子氏の重臣であった山中鹿之助は「われに七難八苦を与えたまえ」と言ったとか・・・。
中小企業が生産性を上げるには、経営資源の整理・整頓、いわゆる”スクラップ”を行なうことが必要条件ですが、スクラップだけでは不十分です。
経営資源を整理・整頓し、自己資本比率などの財務体質が向上したならば、次のステップとして”ビルド”が必要になります。このビルドを私は「創造」と呼んでいます。
ビルド(創造)のないスクラップは縮小均衡で終わってしまいます。
企業の永続・繁栄を目指すのであれば、将来のための布石を打ち、価値を高めていかなければならないのです。
生産性とは、
生産性=Output(算出)/Input(投入)
ですので、「Input(投入)」の見直しのあとは、「Output(算出)」の増大も図っていかなければなりません。
この場合の「Output(算出)」は、付加価値で考えるのが一般的です。
付加価値=売上高-外部購入額
で表されますが、粗利益や限界利益とも近い概念です。
つまり、付加価値とは自社内で付加した価値のことで、付加価値率(=付加価値/売上高×100(%))が高いほど企業にとっては価値のある商品やサービスであるといえます。
それでは、どのような商品やサービスが付加価値率が高いのかというと、外部購入額、つまり仕入や原材料費、買入部品費、外注費などの比率が少ない商品・サービスになります。
外部購入額が少ない商品・サービスとは何かというと、ハードそのものよりもその機能に価値を感じてもらえる商品やサービスのことです。
自動車という金属や樹脂の塊に価値があるのではなく、快適な走行性やデザイン性、環境性に価値があるのです。
携帯電話というハードではなく、操作性や通信速度、利便性に価値があるのです。ですから、携帯電話やスマートフォンの価格よりも通信料やアプリの使用料の方が多くかかるのです。
そもそもアプリには形がありません。だから、高い付加価値が取れるのです。
同じものでも、売り方によって価値も変わります。単品で売るよりもいくつかの商品を組み合わせてシステムとして売る方が価値が高まります。さらに、アフターサービスに価値を感じる顧客も多いでしょう。
そのそも各種のサービスには外部購入高が全くないものもたくさんあります。
つまり、モノよりも形のないコトにこそ高い価値があるのです。
ipodやウォークマンといったモノではなく、音楽をいつでもどこでも快適に聞けるコトにお金を払っているのです。
金属部品というモノではなく、軽くて強く回転を伝えるコトに価値があるのです。
モノに価値はありません。コトに価値があるのです。
そして、コトの源泉はヒトの頭の中にあるのです。
« 1割の社労士と9割の社労士 | トップページ | 営業マンの三苦五楽 (その1) »
「経営」カテゴリの記事
- 謹賀新年(2021.01.01)
- あけましておめでとうございます(2021.01.04)
- 「純現金収支」 って何のこと?(2020.12.21)
- 脱・資本金主義⑤(2020.10.23)
- 脱・資本金主義④(2020.10.22)
コメント