B/S面積グラフから考えてみよう⑨
古山喜章です。
棚卸資産回転期間 その1
計算式には、2パターンあります。
①棚卸資産÷月平均売上高(年商÷12)
②棚卸資産÷1日平均売上高(年商÷365)
①であれば、何ケ月分の売上に該当する棚卸資産があるか、を示します。
②であれば、何日分の売上高に該当する棚卸資産があるか、を示します。
棚卸資産が多い、卸売業や小売業の方々は、
常に注意を払っている方が多い管理項目です。
総資産に対する、売上高の回転率は2回転です。
パッと見ると、すごくいいように思う方がいるかもしれません。
しかし、卸売業なら総資産回転率は、2.5回転以上ほしい。
それに対して、2.0回転と低いわけです。
業態を考えれば、あまりよくない面積グラフなのです。
で、何がそうさせているいかというと、
一目でわかるのは、棚卸が多い、ということです。
年商から見ると、1.6ケ月分、
つまり、48日分の在庫を抱えています。
卸売業はそもそも、薄利です。
回転を高めてこそ、利益が獲得できます。
しかし、この状態では、思うように利益を確保できないのです。
保管の量や場所が広がり、移動・運搬のコストが増え、
倉庫料が増えます。
つまり、管理コストは絶対に増えます。
さらに、支払いから入金までの期間が長くなるので、
資金繰りが悪くなります。
このグラフの事例でも、
右側に、短期借入金や長期借入金を多く抱えています。
在庫は諸悪の根源です。
注文してから何日で商品が届くのか。
いまどき30日もかかることは絶対にありえません。
特に卸売業態など、在庫が必要な商売の方々は、
棚卸資産回転期間を、気にかけてほしいですね。
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