B/S面積グラフから考えてみよう⑩
古山喜章です。
棚卸資産回転期間 その2
計算式には、2パターンあります。
①棚卸資産÷月平均売上高(年商÷12)
②棚卸資産÷1日平均売上高(年商÷365)
①であれば、何ケ月分の売上に該当する棚卸資産があるか、を示します。
②であれば、何日分の売上高に該当する棚卸資産があるか、を示します。
前回提示した面積グラフでは、
赤色のグラフで表した年商に対して、
1.6ケ月分、48日分の在庫を抱えていました。
その状態から、在庫を半分に減らしたとします。
と、面積グラフはこうなります。
在庫回転期間は、
0.8ケ月分、24日分となりました。
棚卸が減ったことにより、総資産も縮んでいます。
なので、総資産回転率(売上÷総資産)も、
2.0回転から2.3回転へと改善しています。
棚卸が半分に減った分、
流動負債にあった短期借入金がなくなり、
固定負債にあった、長期借入金が小さくなっています。
借入金が減るわけですから、
毎月の返済が減り、キャッシュはより多く残ります。
また、卸売業という設定ですから、
目指すべきは総資産回転期間は2.5回転以上。
ならばまだ課題は残ります。
在庫にしても、24日分も必要なのか?
ということにまだまだ疑問があります。
が、在庫を減らすことによって、
カネ回りが改善することは間違いありません。
在庫を減らす。
これにはかなりのエネルギーが必要ですが、
財務改善のポイントとして、大きな要素なのです。
その状況を把握する指標として、
在庫回転期間を大いに役立ててほしいですね。
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