B/S面積グラフから考えてみよう⑭
古山喜章です。
~少人数私募債の活用~
先日、ある方から、
「少人数私募債は、B/Sのどこに入るのでしょうか?」
という質問をいただきました。
少人数私募債は自己資本とみなされる、というものの、
いざ実務として進めようとしたときには、
わかりにくいし、不安もあります。
結論から言えば、
少人数私募債は、固定負債に入ります。
そのとき、勘定科目名を、“少人数私募債”と、
確実に明記することが大切です。
なにも言わずに税理士などに決算処理を依頼すると、
その勘定科目が、“社債”とか、ひどい場合は、
“長期借入金”となっている場合があるのです。
こんな状態です。
こうなると、
その決算書を見て入力し、格付け評価をする銀行は、
それが少人数私募債なのかどうか、わかりません。
そのため、せっかくの少人数私募債も、自己資本として
算定してもらえないわけです。
少人数私募債は、あくまでも、固定負債項目です。
ただ、自己調達資金ですから、
銀行の格付け評価としては、自己資本に算定してもらえる、
ということです。
つまり、こうなります。
これだけで、自己資本比率が大きく変わることが
おわかりになると思います。
少人数私募債を運用しても、
あとの決算書の状態まで確認しておかないと、
そのメリットの効果は半減してしまいます。
運用を予定している企業は、
勘定科目、という表記を
しっかりと押さえておいてください。
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