B/S面積グラフから考えてみよう (21)
古山喜章です。
~B/S面積グラフでCCCを見てみる~
昨日お話しした、CCC、
キャッシュ・コンバージョン・サイクルを、
面積グラフで見ればどうなるのか、
考えてみましょう。
CCCの計算式は、
(売掛債権回転日数+在庫回転日数)-買掛金回転日数
ですね。
この計算式で出る日数を小さくすることで、使える現金を増やそう、
というわけです。
例えば、
次のようなバランスシートの会社があるとしましょう。
で、売掛金や在庫に不良がないとして、
売掛金の回収を早め、在庫を削減して、
回収を早める、在庫資金を圧縮することができた。
支払い日を延ばして買掛金回転日数を上げた。
としましょう。
すると、面積グラフはこうなりますね。
在庫が減り、
未回収の売掛金が減り、
買掛金の支払日が先延ばしになります。
と、その分、現預金が増えましたね。
但し、前回も書いたとおり、
買掛金回転日数を大きくすると、
総資産が大きくなる要因にもなりますので、
あまりおススメはしません。
まぁ、在庫が減れば、買掛金も減るでしょうから、
総資産が極端に増えることはないと思います。
結局、CCCで言えば、在庫と売掛債権を少なくすることが、
キャッシュを増やすことにつながるというわけです。
で、そのキャッシュを、他社よりも早く、
次なる開発や戦略に、投資をしてゆくのです。
不良債権や不良在庫を減らす、
という一時的な削減ではありません。
在庫の回転を速くする、
売掛金の回収を速くする、
ことで常時使えるおカネを大きくしておく。
より小さい総資産でおカネを回転させる、
回転経営の仕組みづくりが、
CCCを強くするには必要なのですね。
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売掛金の件ですが、医療・福祉系の未収金の先は、国とお客様です。
二カ月分の売上が未収金であり、国が90%、お客様が10%。
当法人の規模で、約2億円の未収ですが、以前、国の社会保障制度構築の先生に資金回収期間を半分に短縮すれば、社会保障費も抑制できるのではないかと打診したことが有りました。
韓国では医療費の資金回収期間は2週間だったと記憶しますが、日本は4倍。この期間を短縮するためのシステム構造変更の予算を使っても、資金調達コストを考えると、絶対有益だと思いますが・・・
貸倒の発生率は極端に低いですが、資金回収期間が半分になるとしたら、当法人で一億円のキャッシュを生み、借入金の即日返済を実施すれば、金利0.5%だと年間支払利息500千円の削減にもつながります。
結構いい案だと思うのですが、委員の先生は提案をしていただきましたが、日本のシステム上難しいという見解でした。これも、いっしゅの埋蔵金ですよね。
投稿: 田村 透 | 2012年1月24日 (火) 10時12分