顧客生涯価値 (その1)
ICOの森垣英和です。
小売業やサービス業の多くの会社が「顧客第一主義」を経営理念として掲げています。
顧客のニーズを重視し、お客様の求めていることを先取りして、それを商品やサービスに取り入れる。
お客様を固定客化し、ファン化してゆく「客づくり経営」を会社目標の第1にして顧客創造に取り組む会社が多い、その背景には、固定客には4つのメリットがあるからと思われます。
①新規客の獲得には既存客維持の3~5倍のコストがかかる
②既存客への情報の提供は容易であるが新規客には難しい
③固定ファンは積極的に口コミをしてくれる
④店舗利益の7~8割は固定客によってあげられている
固定客数の目標として、店舗の場合
年間店舗売上目標 × 固定客比率
必要固定客数= 客単価×固定客月間利用頻度×12ヵ月
の計算式で算出し、お客様を固定化する為に従業員一人一人の固定客づくりの責任を与えている会社もあります。(固定客比率とは総顧客数に占める固定客数の比率)
固定客の重要性を客数×購買額(購買単価×購買頻度)の「損益計算書」で考えている会社は多くありますが、最近は資産として顧客価値をとらまえる会社も増えつつあります。
「顧客生涯価値」という考え方です。
固定客になったお客様が、その会社、店舗を何年継続して利用していただけるか、単年の購買額だけでなく生涯の購買額を算出し、オフバランスシートでその価値を把握し顧客対策の手を打つ。
固定客は資産であると見做しその対応を考えてゆく会社が増えつつあります。
顧客生涯価値の算式にはいろいろなものがありますが、単純なものでは
顧客生涯価値
=顧客年間購買額×平均粗利益率×利用年数
そのお客様が生涯、その会社、店舗を利用いただいた場合、どれだけの価値となるのか、単に顧客が大切、お客様を第一にするという考え方より、より深い顧客に対する認識ができると思われます。
顧客生涯価値は小売業やサービス業だけでなく他の業種でも考え方は基本的には同じ、個人顧客でなく法人顧客に代わるだけ。
顧客を経営資産と考え、固定顧客数の増を手段でなく目的とした顧客戦略を推進してゆく必要があるのではないかと考えます。
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