できない社員を辞めさせたい
古山喜章です。
「できない社員を辞めさせたい」
という悩みを聞くことがあります。
せっかく採用したが、
何を教えてもダメ、
同じ失敗を何度も繰り返す、
配置転換をしてもダメ、
こうなると、関わる全ての人が、
その人のために膨大な時間を取られてしまいます。
失敗や過ちがあった都度、
それを認める本人の承認書類をもらっていれば、
会社都合による普通解雇も可能です。
が、多くの場合、
そのような書類をそろえていないことが多い。
また、できる限り穏便に済ませたい、
という気持ちもあります。
そうなると、問題の本人に、
「会社を辞めてくれないか?」と問いかけ、
その本人が了承してくれる、
退職勧奨の形が望ましいですね。
但し、本人が了承しなければ、成立しません。
退職勧奨は会社都合なので、
申請後7日で失業保険がもらえます。
自己都合なら、さらに90日後からの受給です。
受給開始がずっと後になるのです。
勤務期間によっては、受給期間にも大きく差があり、
会社都合のほうが長くもらえます。
このことを説明すると、
退職勧奨で退職に了承される確率が、高まります。
それでも不安がある、もっと確実に進めたい、
とにかく早く、出社しないようにさせたい、
というならば、
通常の退職勧奨よりも、良い条件を提示することです。
失業保険は賃金の約60%ですから、
会社が満額払うことを約束して、
取り急ぎ出社しないようにしてもらう。
仮に失業保険の受給期間が90日なら、
それより多く、120日、150日分を払ってあげる。
で、その期間終了時点での、自己都合退職扱いで、
退職願いを書いてもらう。
そうすれば、本人はさらに、
自己都合退職の失業保険をもらえます。
で、出社しなくなった時点から、
次への就職活動をしてもらえばよいのです。
採用した側にも責任はあるわけですから、
安く済まそうと思わないことが大切です。
そうすると、かえって高くつくことがありますから。
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確かに従業員の中には、期待通りの活躍が出来ず、戦力外的扱いになっている職員はどの職場にもいることは事実です。
採用した時は、期待し、期待に胸ふくらませ始まったはずがミスマッチ。
そのミスマッチを極力発生率を抑制したり、発生したとしてもお互いに了承した上で、対応する方法を私たちは以下の通り実施しています。
まず、採用活動する時には他の事業所の倍以上の時間を使うこと。正規の職員の場合、5回以上脚を運んでもらっています。
その中で、会社の方針や今後の事業計画、処遇等、繰り返し説明したり、ディスカッションしています。恐らく同業者では、一回もしくは二回で内定を出していることが多く、当法人のやり方がまどろっこしいと思うのであれば、自分から身を引いていきます。
どうしても、私どもと一緒に仕事がしたいと思ってくれるモチベーションの高い場合、ミスマッチが抑制できるし、また万が一ミスマッチが起こったとしても、新たな道を自分で開拓する行動力が有り、自分自身で辞めていく。
専門職が大多数を占める業界の中では、イレギュラーですが、模索してそろそろ完成形を迎えようとしています。
そんな時、ネッツトヨタ南国の横田相談役の講話を聴き、確信しました。
就職を希望する人たちも、潜在的なお客様である。そのために、採用試験での合否は出さず、モチベーションの高い人財しか残らないように、長時間をかけて面接を繰り返すということでした。
本当にその通りだと思うし、それをやり切る勇気が必要だという事を3Kの業界も気が付くことが出来ればと思います。
投稿: 田村 透 | 2012年1月31日 (火) 09時04分