B/S面積グラフから考えてみよう (24)
古山喜章です。
~税金のキャッシュアウトが減れば、剰余金はすぐ増える~
役員退職金など、高額な特別損失を出しなさい。
最大で剰余金がゼロになるまで特別損失を出しなさい。
といっても、多くの方々は、
「えっ、せっかく貯めた剰余金をそんなに削ったら、
そのあとが大変じゃないですか???」
と不安な気持ちになられるようです。
面積グラフで言えば、次のような変化が起こるわけですね。
(例えば土地・建物一式を売却して大きな特別損失を出した場合)
そもそも剰余金というのは、
税金や配当を終えた後に残った未処分利益の積み重ねです。
税引き前利益から、法人税や配当を差し引いた残りです。
なので当然ですが、
剰余金を貯めるにも、長い期間が必要です。
しかし、
大きな特別損失を出して貯めた剰余金がなくなった場合、
税金のキャッシュアウトがなくなります。
これが大きい。
しかも、
その際の大きな特別損失は通常、繰越欠損金となります。
そのため、その後の業績が通常どおりの数字であっても、
繰越欠損のマイナスが加味され、損失を出した年度同様、
税金のキャッシュアウトはなくなります。
つまり、
特別損失を出して剰余金がなくなっても、
業績を維持できれば、
税金や配当が発生していた時と比べて、
約2倍の速さで剰余金が増えていきます。
このことを実感された経営者は、
とにかく特別損失を出すことに必死になり始めます。
キャッシュアウトが減り、
財務体質がどんどん強くなるのですから。
その方々には、成果が目で見てわかる、
このB/S面積グラフを作成するのが、
大きな楽しみなのです。
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