B/S面積グラフから考えてみよう (25)
古山喜章です。
~ギヤリング比率~
銀行による格付けスコアリングに使う経営指標で、
ギヤリング比率、というものがあります。
財務の健全性を表します。
計算式は次のとおりです。
(短期借入+長期借入+外部の社債)÷自己資本×100
=○○% といった具合です。
要は、
自己資本額に対する、借入などの外部調達資金の比率、
を表します。
面積グラフでいえば、こんな感じです。
上の面積グラフで言えば、
黄色の面積に対する、緑の面積の比率、
というわけです。
この場合なら、面積は緑が少し小さく、
比率は100%以下、ということになります。
結論から言えば、100%以下にしてほしいのです。
100%以下、というのは、借入などの外部調達資金が、
自己資本の額以下である、ということを表します。
言い換えれば、調達資金の内、
返済義務のある他人資本が過半数を占めるのか、
それ以下なのか、ということです
つまり、資金繰りが楽かどうか、
借入金が多いか少ないか、なのです。
で、逆にギヤリング比率が100%を超えている、
という場合、面積グラフは次のようになります。
このグラフの場合、短期借入が増え、棚卸が増えています。
その分、総資産が増えていますから、自己資本率は悪化します。
何より、ギヤリング比率が100%を超えると、
面積グラフに占める借入金のウエイトが高まり、
「借入金の多い会社だな」ということが一目でわかります。
=資金繰りが大変な会社だな、ということになります。
銀行は、資金繰りが大変な会社より、
資金繰りが楽な会社に貸したいのです。
ギヤリング比率から、自社が無理なく返済できる、
資金調達額の目安をつかむことができるのです。
現在のギヤリング比率は、何%でしょうか?
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