B/S面積グラフから考えてみよう(28)
古山喜章です。
~面積グラフから見る、業種と財務体系~
その業種によって、
面積グラフが表す体型というものがあります。
まず、次の面積グラフをみてください。
上のグラフの左側を見てください。
流動資産よりも、固定資産が多くなっています。
いわゆる、固定資産型、の面積グラフです。
これが、ホテル業や飲食業、病院など、
建物や機械・設備といった固定資産を必要とする業種なら、
その体型事態、特に大きな問題ではありません。
しかし、
これが卸売業、卸売業、人材派遣業などだったら、
どうでしょうか?
機械や設備、ましてや土地を、
自前で持たないと商売ができないでしょうか?
そんなことはないはずなのです。
借り物であっても、商売そのものには、
なんら影響ありません。
例えば卸売業で、上のグラフのように、
銀行から借金をして土地、建物、機械を持ったとしましょう。
そもそも卸売業と言えば、利幅の小さい商売です。
回転で儲けるしかない商売なのです。
在庫も抱える必要があります。
なのに、借金をして固定資産を持つわけです。
月々の借入返済、金利、固定資産税、
などがのしかかり、資金繰が厳しくなるのは当然です。
でもそれは、損益計算書だけ見ていては、わからないのです。
借入の返済は、損益計算書には、表れないからです。
加えて、自前の資産として持てば、
賃借料が必要ないわけですから、
損益計算書での見かけの経常利益は大きくなります。
それも、PL発想の経営者にとっては、
魅力的に映るようです。
とはいえ、
面積グラフは企業の財務体格を表します。
それぞれの業種の収益体質に応じた、
財務の体格を維持してほしいのです。
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