オーナーが語る「INAC、強いチームづくりのポイント」(その1)
ICOの森垣英和です。
先日、INAC神戸オーナーのアスコ・ホールディングスの文会長に、ある会社の講演をお願いしました。
講演の主旨は、INACが創設10年でなでしこリーグ優勝、全日本女子サッカー選手権大会2連覇、その強さの秘密は何かを語ってもらうということでした。
文オーナーの話によりますと、
サッカークラブを作りたいと、かねがね文オーナーは願望を持っており、最初は男子サッカーチームを作ることも想定していたということです。
しかし、当時は日本では男子プロリーグがあり、資金力のあるスポンサーが後ろ盾となっている男子のリーグで優勝できるチームを作るのは時間的にも、資金的にも厳しいと判断。
女子リーグは、まだリーグとしてあまり時間が経っておらず、日本一を目指しても遅くはないという状況でした。
サッカー指導の経験のある知人を監督に採用し、チームを設立。
監督にメンバーの募集、採用を依頼。
最初は集まったメンバーはたった3名、チームの編成もできないスタートでした。(2001年)
練習場なし、選手なし、運営するスタッフもなし、勿論サポートするスポンサー、資金もなしからの出発。
それでも、選手をかき集めて下部リーグに参入。
アマチュアレベルの争いで優勝し、徐々に上位リーグに上がってゆきLリーグ(日本女子サッカリーグ)2部に昇格。
L-2参加1年で優勝(2005年)
L-1(現在のなでしこリーグ)への昇格となるのですが、既加盟チームから加盟反対が多数あり、リーグ本部などとの交渉で賛成8、反対7で何とかL-1に加盟できました。
L-1リーグでは、最初は4位、5位クラスで推移。
当時は、日本テレビ、東京電力、松下電器(パナソニック)、田崎真珠など大手上場クラスがチームオーナーで運営するチームが多く、選手層の厚さは関東に分がありよい選手が集まりにくい状況でした。
チームの知名度も低く、兵庫県では良い選手を集めるといっても不利な条件にあります。
そこで、選手を国内だけでなく海外にも目を向けて獲得することにし、ブラジル、韓国などから数名をスカウト。
海外の選手に対しては練習、試合に専念できるプロ契約制度としました。
また、選手たちがサッカー練習に集中できるよう兵庫県丹波市にサッカー場3面の宿泊施設付きの練習場も作りました。
今では、INACだけでなく、男子も含む全国の大学、高校などのサッカークラブやアマチュアチームが施設を活用し、その施設は高収益を上げています。
(次回へ続く・・・)
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