日曜ビジネス映画劇場 その12
古山喜章です。
「戦火の馬」
~スピルバーグも老害なり~
都心部のとある映画館にて、
週末午後7時すぎの回を見ました。
客席数388の劇場で、客数はなんと10名。
さみしい!というより、ちょっとコワイ。
それに、若いお客さんが全くいないのです。
公開から2週間足らず。
まぁ、劇場は大赤字ですね。
劇場のお兄さんに尋ねたところ、
「最初はそこそこ入ってたんですが・・・」とのこと。
監督はスピルバーグ、アカデミー6部門ノミネート、
といえども、そのこと自体の興行価値は、いまやゼロ。
20~30代の人にとっては、「それ、誰???」なのです。
作品として悪くはないのですが、どうにも古臭い。
「どうぞ感動してください」と言わんばかりの、
今や老境にさしかかったかつての名監督の、
ご満悦ぶりが見えてくるばかりなのです。
(スピルバーグ監督、今年65歳です)
まるで、
企業経営における、老害の側面を見ているかのごとく、
ですね。
中小企業の若き社長が、
その感性だけで大ヒット商品を生み出したものの、
時とともに、その感性が顧客ニーズに合わなくなる。
商品が売れなくなってゆく。
それでも、過去の成功体験に照らして商品を作る。
当然、ヒット商品にはならない。
また、社内の誰も、それを止めることができない。
そのような状況が、今のスピルバーグには、かぶってきます。
もはや一線を退き、子会社などでこじんまりと作品を作る。
あるいは、後進の育成に励む。
といった年齢に差し掛かっているのに、
いつまでも大作志向の作品から離れられない、
いつまでも成功体験に引きずられすぎている、
いつまでも若いと思い込んでいる、
というのは、やはり老害だと思います。
今現在も、「インディ・ジョーンズ」最新作を撮影中だとか。
(主演のハリソン・フォードは、今年70歳です)
映画ビジネスへの多大なる貢献者であるだけに、
晩節を汚すことのなきよう、祈るばかりです。
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