B/S面積グラフから考えてみよう(31)
古山喜章です。
~債務超過時の考え方~
前回、債務超過時の面積グラフの書き方をお伝えしました。
次のような面積グラフですね。
面積グラフに、赤色で横線を引きました。
その横線が、ゼロのラインと考えてください。
それより下の、矢印の部分が、
+-で言えば、マイナスの部分です。
つまり、そのマイナス分、左側の資産に対して、
右側の負債が多いわけですね。
但し、債務超過でも、良い場合と悪い場合があります。
上記の面積グラフでは、右側の負債の中に、
銀行からの借入金はありません。
経営者からの借入金のみです。
で、現預金や、すぐに現金化される売掛金もあります。
つまり、
債務超過でも、資金繰りに何ら問題がないのです。
しかも、
この財務状態で、株価を評価すればどうなるでしょうか?
まず、額面を大きく下回ります。
株式を後継者に移行したい場合など、好都合です。
例えば、
無借金の会社の社長が、
蓄積した剰余金を上回る額の退職金をもらい、
特別損失を大きく計上することで、
上図のような財務状態になった、という例があります。
無借金ですから、銀行にとやかく言われることはありません。
で、株価を評価すれば1円となり、
非課税贈与枠で、株をすべて後継者に移行されたのです。
その企業、経常利益はしっかりとれているので、
その後数年は、税金のキャッシュアウトもなくなり、
3年ほどで、剰余金がもとどおりになったのです。
それは、銀行借り入れがないから、
余計なことをきにせずに実行できた事例です。
やはり、銀行からの借入金が有ると無いとは、
大違い、なのです。
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