残存簿価は1円になっていますか?
古山喜章です。
先日、ある企業の償却資産台帳を見ていると、
耐用年数期間を数年前に終えているのに、なぜか、
いまだに毎年、減価償却費が発生している、
という機械などがあるのを見つけました。
??????
これはいったいどういうことなのか?
経理担当者に尋ねても、???という様子です。
で、過去の台帳などを見ていると、
ようやくわかりました。
平成19年の税制改正で、減価償却は残存簿価1円まで、
可能になりましたね。
その際、耐用年数を終えて簿価が計上されている償却資産を、
残存簿価1円にまで償却する、という経理処理を行ったわけです。
もちろん、キャッシュフローをよくするためです。
ところがその会社では、その当時の残存簿価を、
一気に1円にするのではなく、
10年かけて定額で償却してゆく、という処理をしていたのです。
つまり、
耐用年数を終えて、取得価額の5%になっていた償却資産を、
さらに10年の定額法で、減価償却する、
という、実に気の長い処理を行っていたのです。
だから、耐用年数を終えている資産なのに、
毎年、減価償却費が発生していたのです。
なぜ、そのような処理をしていたのか、今のところは不明です。
そのような方法で進めた税理士事務所の意図が、
まったくもって理解できません。
担当企業のキャッシュフローのことなど、なにも考えていないのだと
思えてしかたがないのです。
償却資産台帳をじっくり見る機会、
というのはあまりないかもしれませんが、
上記のような不可解な処理がされていないかどうかは、
チェックをしておきたいものですね。
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