B/S面積グラフから考えてみよう(34)
古山喜章です。
~業種に見合った体型にする①~
面積グラフには、
業種に応じてそれぞれの体型の特性、
というものがあります。
ホテル、病院、などの設備産業では、
固定資産のウエイトが高まり、
卸売業、建設業などは、在庫や売掛金など、
流動資産のウエイトが高まります。
例えば建設業で、
次のような面積グラフを見かけることがあります。
建設業なのに、土地が多く、その分、
長期借入金も多くなっています。
いわば、土地のために借りたお金です。
その為、総資産のうち、固定資産のほうが多くなっています。
でも、建設業で、自前で土地を持つ必要があるでしょうか?
資材を保管するにしても、
その場所や倉庫を借りればすむことです。
ヒドいときには、
事務所や自宅のための土地、という、
事業や業績になんのプラスにもならない土地である、
というケースもあるのです。
建設業は、資材という在庫を持ったり、
まだ引き渡しが起こっていない物件などは、
未成工事支出金という、これも在庫同様の、
流動資産が発生します。
それでなくても、流動資産が膨らむのです。
なのに、固定資産の方が、多くなっている、
というのは、明らかに、業種としての財務体型を崩しているのです。
仮に、この土地・長期借入金が、そっくりそのままなければ、
面積グラフはこうなります。
かなりスッキリもし、課題はあるものの、
業種としては、まっとうな体型です。
面積グラフを作成したとき、業種特有の体型になっているか、
ということを、まずは確認しておきたいのです。
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