人件費を下げる
古山喜章です。
飲食店の指導をしていると、FLコスト、
(F=原材料費 + L=人件費)
を業績管理の指標として使用します。
以前は一般的に、FLコストを63%以下に抑えよ、
などと言われていました。
つまり、原材料費と人件費を合わせて、
売上高の63%に抑えなさい、ということです。
しかし、デフレ環境が続く中、売上は総じて、
数年前と比較して10%近くダウンの傾向です。
この環境下では、FLコストを60%以下にしないと、
目指す営業利益確保は厳しくなってきました。
原材料費は完全に変動費ですから、
売上が10%下がれば、原材料費も10%下がります。
ところが、人件費は正社員部分が固定給ですから、
アルバイト部分は若干縮まるものの、
ほぼ固定費のように発生します。
売上ダウンによって、ほぼ固定費に近い人件費が、
利益を大きく圧迫しているのです。
ならば、この傾向はまだ続くでしょうから、
人件費を変動費化させる工夫が必要なのです。
具体的手段の一つには、パート比率を高めることです。
極論で言えば、パート人員あるいは時間給社員、
で運営できる店づくりをすればよいのです。
時間や曜日によって店長が変わる。
それでお客様の満足を得ることができれば、
何も問題はありません。
お客は何も、正社員を置くことを求めていません。
何か問題があった際、そのときの責任者がいればよいのです。
こういうことを言うと、〝そんな無茶な!〟
と言われるのですが、
経営環境に対応して生き残りをかけるなら、
このような大胆な手段も視野に入れるべきなのです。
多店舗展開している企業なら、
まずは小規模店舗のモデル店から実践すればよいのです。
いつの時代もそうですが、
一見できそうにないことにいち早く取り組む企業が、
厳しい環境を乗り越えてきたのですから。
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