中小企業のリース資産は計上しなくてよい
古山喜章です。
決算書を見せていただくと、貸借対照表に、
「リース資産」が計上されている会社と、
されていない会社があります。
結論から言えば、中小企業の場合、
計上する必要がありません。
計上している決算書の会社の方にお聞きすると、
「“会計基準が変わって計上しなければいけなくなった”と、
決算処理をお願いしている税理士さんが言ってました」
というお答えが返ってきます。
あるいは、
「“大企業がそうなったから、
中小企業もそうしておいたほうがよい”
と、税理さんに言われました」
といケースもあります。
確かに、
平成20年に「新リース会計基準」が適用されました。
しかし、その対象義務となるのは、今のところ、
上場企業や、会計監査人を設置する企業に限られています。
そのことを知らない人が処理したのか、それとも、
いずれ中小企業もそうなるのだから今のうちに、
ということなのでしょうか。
しかし、リース資産を計上すれば、
左側の固定資産に「リース資産」、
右側の固定負債に「リース負債」
が計上されることとなり、総資本が増えるのです。
そうなれば、
自己資本比率が下がる、
総資本回転率が下がる、
総資本経常利益率(ROA)が下がる、
と、銀行格付けに関わる多くの指標が悪化します。
もし決算書にリース資産が計上されているなら、
担当の税理士さんに、
「総資産が増えて銀行格付けが悪くなるから外してほしい」
と言ってみてください。
その返答次第で、
中小企業は計上しなくてもよいことを、
知っているのか、知らないのか、がわかると思いますよ。
いずれにしても、リース資産を計上しないようにし、
総資産は小さくしておきたいですね。
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