B/S面積グラフから考えてみよう(38)
古山喜章です。
~業種に見合った体型にする⑤~
面積グラフには、
業種に応じてそれぞれの体型の特性、
というものがあります。
メーカーの場合、
機械・設備などの固定資産が必要となり、
原材料・仕掛品などの在庫や売掛金などの流動資産も必要です。
バランスで言うと、半々くらいが一般的です。
なのに、次のような面積グラフを見かけることがあります。
流動資産のウエイトが、かなり大きいですね。
なかでも、売掛金と棚卸のウエイトが大きいことがわかります。
もちろん、売上に対する回転率を見ないといけませんが、
このような事例の場合、往々にして、
在庫の持ちすぎ、売掛金回収サイトが長すぎる、
という問題を抱えています。
こうなると、
投じた資金が現金となって回収されるまでの、時間が長くなりますね。
在庫なら購買部門や生産計画部門が在庫削減に無頓着なのか、
売掛金過多なら、回収にルーズなのか、
要は、明確なルールと管理がなされていないのです。
そのため、右側では借入金が膨れ上がっているのです。
当然、毎月の返済は大きくなり、資金繰りが厳しくなります。
これでも借入金はなくなりませんが、
資金繰りとしては、改善前よりはかなりラクになるはずです。
高付加価値商品のメーカーならともかく、
利幅の小さな商品のメーカーなら、回転で儲けるしかないのです。
そのとき、投じた資金で商品を作り、売り、現金化するまでの、
期間が短いほど、効率よく儲けることができるのです。
メーカーの方は、自社の体型を確認してみてください。
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