役員退職金の計算式で、見直してほしいこと②
古山喜章です。
役員退職金規定を見ていると、
各社各様の違いが少しずつあります。
計算式については、先日書いたとおりです。
最適報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率
で、算出するわけですが、
功績倍率については、社長の場合だと、3倍、
としている例が圧倒的に多いです。
ただし、
この倍数も、法律で定められているものではなく、
いわゆる、通例、ということになってきます。
だからといって、4倍、5倍にすると、
同業同規模の事例を比較対象として持ち出された際、
なぜそれらの事例よりも倍率が高いのか、
という根拠が求められます。
なので、
安易に倍率を高めることはおすすめしません。
それよりも、計算式外の規定にある、
“特別功労金”を活用するほうが良いですね。
特別な功労のあった役員に対する加算分です。
例えば、
・創業オーナーとして事業を成功させた
・創業者ではないが、歴代社長ではできなかった躍進を果たした
・同業者にはない発想でビジネスを成功させた
などなど・・・。
これらのことは、各社固有の功労事例です。
この功労金をどのように評価・算定するかは、
単純に比較対象できるものではありません。
要は、特別功労金を活用したほうが、
役員退職金の加算がしやすくなるのです。
それなのに、規程を見ると、
功労金は、+30%の範囲内、あるいは、+50%の範囲内、
などと、上限を定めている場合があるのです。
これでは、その規定に基づくしかなく、
それ以上に功労加算を増やすことはできません。
功労金の部分も、特に法律で定められているものではありません。
しかし多くの税理士先生は、他社の事例等を見て、
最もよくあるものを採用しようとするはずです。
間違いがない可能性の高いものを優先するからです。
結局のところ、税務調査で(自分が)つつかれたくないのです。
特別功労金の規定文には、
“〇〇%の範囲内において功労加算する”
という記載はなくし、
“特別功労金の支給額は、役員会にて決定する”
というシンプルなものにされてはいかがでしょうか。
« 役員退職金の計算式で、見直してほしいこと | トップページ | どこでもオフィスになる »
「事業承継・M&A」カテゴリの記事
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1165409/46199055
この記事へのトラックバック一覧です: 役員退職金の計算式で、見直してほしいこと②:
コメント