オリンピックに学ぶ(1) ~評価と納得性~
みなさん、こんにちわ。ICOグループの内藤です。
ロンドンオリンピックも後半戦に入り、盛り上がりも最高潮に達しています。
どの戦いもほんの少しの差で勝ち負けが決まり、勝者と敗者の明暗がくっきりと分かれてしまうのを少し複雑な心境で見ています。
勝者には賞賛の気持ちでいっぱいですが、敗者にも同じように、いやそれ以上に讃えてあげたい気持ちになるのです。
特に、その判定に納得がいかずに去っていく選手には心から同情します。
水泳や陸上競技のように、客観的な数値(時間、距離など)で判断をするのは比較的容易ですが、美しさや正確性、完成度、ラフプレーなどを一瞬の動作で判断するのは非常に困難でしょう。
映像による検証によって判定の訂正が多くみられますが、最終的な判断は審判団の感覚によらざるを得ません。
選手が極限まで自分を追い込み死闘を行なうのは、フェアな評価が前提になっています。
公正に評価されるからこそ、すべてをかけて戦うことができるのです。
これは、オリンピックに限ったことではなく、ビジネスにもいえることです。
ビジネスマンが成果をうあげるために必死になって働くのは、納得のいく評価があってこそなのです。
納得のいく評価をするためには、評価基準を明確にし、結果を素早く公表することでしょう。
オリンピックで最も感心したのは、日本が団体で銀メダルを獲得したフェンシングです。
人間による誤審を防ぐために電飾が光るのです。
電気剣とメタルジャケットを使うことにより、電飾を利用して誤審を防ぐ工夫が進められています。
いわゆる「見える化」、「可視化」です。
私も日頃から多くのビジネスマンと接しますが、評価への不満は後を絶ちません。
「やってもやらなくても同じ」
「自分がどのように評価されているのかわからない」
「評価基準があいまい」
「どこまでやったらいいのかわからない」
「トップの言っていることと、評価結果が違う」
「なぜ、自分の方が評価が低いのかがわからない」
「なぜ、怒られているのかがわからない」
などなど・・・・。
もちろん、経営者や上司にも言い分はあるのですが、社員のやる気を高め、必死で戦う社員に納得性を持たせるためには、評価される立場で評価基準や評価ルールを明確にすべきです。
そして、評価の結果を「見える化」、「可視化」するのです。
進捗状況をグラフ化する、評価によって席を変える、身につけるモノの色を変える、パソコンのスタート画面に結果が出る・・・・・。
そして、最終的には昇格、昇給、褒賞金などに反映させるべきです。
やってもやらなくても同じ評価しかされない環境からは、決して金メダルは生まれません。
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