アナログ企業 九つの大罪 ⑨
古山喜章です。
IT化が遅れている企業は、
それだけで人件費や諸経費が増えてしまいます。
~⑨旅費・小口精算 罪名:現金担当者泣かせ罪 ~
旅費や小口現金の精算業務は、どこにでもある業務です。
しかし、IT化が進んでいる企業では、
手間をかけないための工夫が行われています。
近隣へ出かけた際の旅費であれば、スイカなどの電子マネーを活用する。
明細も入手できるわけですから、不要な利用があればすぐにわかります。
店舗や他部署でのちょっとした買い物なら、給与支給時に一括精算する。
などの方法を採ればよいのです。
しかし、IT化が遅れている企業では・・・、
近隣へでかけた際の旅費を、その都度、現金精算する。
出張前に仮払いをして後で精算する。
各部署別に口座を設けて小口現金を入金し、使用分は清算する。
とまあ、いずれにしても、現金担当者にとっては、
手間のかかることばかりです。
さらに、
月初・月末、営業会議などの時に、一斉に旅費の精算にかけこんでくる。
仮払いの精算になかなか来ない。
渡している小口現金に誤差が生じる。
小口現金ごとの通帳管理をしなければならない。
などなど、旅費精算や小口現金は、“現金担当者泣かせ”なのです。
“小口現金で何を買うの??”と現場の人たちに尋ねると
“ちょっと足らない材料とか、百均での小物雑貨とか”
などという答えがよく帰ってきます。
“立て替えて給与の時にもらえばいいんじゃないの?”というと、
“それでもたまに大きな額の買い物をするときがあるんですよ”
などと言いますね。
まあはっきり言って、一時的とはいえ、自腹を切りたくないだけです。
小口現金をやめ、給与支給時に一括精算することにした企業では、
大概、小口の買い物が激減します。
やっぱり、自腹を切りたくないのですね。
足らなかったら小口で買えばよい、という意識が、
通常の仕入れを甘くしたり、コスト意識をゆるくするのです。
JRでスイカのサービスがスタートしたのが2001年です。
ビューカードという、法人用のカードだってあります。
それこそ移動や出張の多い者には、
このような電子マネーを活用すればよいのです。
旅費・小口精算における、“現金担当者泣かせ罪”は、
IT化遅れ10年の罪に値する、といったところですね。
IT化が遅れている企業はまだまだ多く、
「管理人権費の削減」という埋蔵金が、あちらこちらで埋もれています。
では、この埋蔵金を、発掘できる企業と、できない企業、
いったい何が違うのか?
ということに、改めて迫っていきたいと思います。
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